ダニの死骸、糞、抜け殻はアレルゲンとなるため、大量発生した寝具を使い続けると、くしゃみや鼻水、目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こす恐れがあるという。ダニのアレルゲンによるアレルギー被害は長引いたり、他のアレルギー症状を招いたりすることもあるため「生きているダニよりも厄介」と加賀さんは話す。

まずは60℃以上の熱で「退治」

最初のステップは、生きているダニの退治だ。

「布団だと表面よりも、中に隠れている数が圧倒的に多いんですよ。そのまま掃除機やクリーナーをかけても生きているダニの数はほとんど減らず、あまり効果はありません」

ダニは熱に弱く、60℃以上の環境だと即死するほか、乾燥も弱点で、湿度が60%以下だと繁殖しにくくなると言われている。 寝具の種類別にお勧めの「退治」方法を紹介してもらった。

布団類はコインランドリーがお勧め(画像はイメージ)
布団類はコインランドリーがお勧め(画像はイメージ)

【掛け布団・敷き布団】 
コインランドリーで洗濯と高温乾燥を一緒にするのが手軽で効果的。乾燥だけなら500円程度、ワンコインでほぼすべてのダニを退治できる。

布団乾燥機や天日干しも有効だが、一度では完全に退治できないこともあるという。布団乾燥機で退治するなら、朝晩2回を3日連続で集中的にかける必要がある。また、 天日干しなら黒い生地で太陽熱を吸収しやすくする「布団干し袋」を使うのがお勧めとのことだ。

お湯で洗濯できるとダニと汚れを一緒に洗い流せる(画像はイメージ)
お湯で洗濯できるとダニと汚れを一緒に洗い流せる(画像はイメージ)

【マットレス】
「ノンコイルマットレス」の場合、外した側生地(カバー)を60℃以上のお湯で洗濯すると退治できるそうだ。「コイルマットレス」はお手入れが難しいのでクリーニング業者に依頼し、高温のスチームで一網打尽するのが望ましいという。 

【シ―ツ、布団カバー、ケット類】
対処方法は意外と簡単。60℃以上のお湯で洗濯すると、ダニと汚れを一緒に洗い流せるのだ 。

掃除機は「除去」で真価を発揮する

退治できるとホッとする人もいるだろうが、安心するのはまだ早い。ダニの死骸、糞、抜け殻などのアレルゲンは寝具に残ったままなので、除去していかなければならない。