「たくさん寝たのに調子が悪い」といった経験はないだろうか。
平日の睡眠不足を取り戻そうと、週末に寝だめをしたのに体が重く、頭がボーっとして何だかスッキリしない。

睡眠に関する研究が進む中、これまで言われてきた「90分サイクル」は見直され、寝だめによる不調の原因もわかってきたという。
睡眠に関する最新事情について、野村不動産ライフ&スポーツの健康運動指導士・藤村悠一さんに話を聞いた。
睡眠サイクルは80分 90分 100分…
「睡眠の役割は『記憶の定着』『学習能力の向上』『脳のメンテナンス』の3機能と言われています。
睡眠が足りていないということは、脳みそがリセットされないので、自律神経の失調やうつ病などさまざまなリスクが心配されます」

睡眠には体が休んでいても脳は稼働している「レム睡眠」と、脳もしっかり休んでいる「ノンレム睡眠」があり、この2つが一晩のうちに交互に入れ替わっている。
これまでは、約90分ごとにこのサイクルが繰り返されているといわれていたが、最新の研究では快適な睡眠はおおよそ「80分、90分、100分」のサイクルだということがわかってきたという。

「以前は『90分ごとに浅い眠りが来るからそのタイミングで起きるとすっきりする』というのが定説でしたが、研究が進むにつれて、寝始めから『80分、90分、100分』というおおよそのサイクルがあり、その後は一番深い眠りまではいかずに『90分、80分』のリズムで徐々に浅い眠りになって朝を迎えるということがわかってきました。
よって、必ずしも90分サイクルで起きれば脳がすっきりするわけではないというのが最新の研究発表です」

この80分、90分、100分のサイクルもあくまでも平均値であり、神経の働き方や寝る環境などによっても個人差があるという。
そして休みの日の“寝だめ”にも大事なルールがあるというのだ。