プロ野球で実に28年ぶり、史上16人目となる「完全試合」を、20歳5カ月の史上最年少で達成した千葉ロッテマリーンズ・佐々木朗希投手。13者連続奪三振という日本新記録も、64年ぶりに更新した。

次回先発予定のオリックス戦(4月24日)で、今も続く連続イニング無安打の日本新記録「17」をどこまで伸ばせるかが注目される中、その活躍を米メディアも盛んに取り上げるなど、メジャーリーグからも熱い視線が集まっている。

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今回が初回となる『AKI猪瀬のMLBとっておきコラム』では、MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏が、メジャーでの日本人選手の評価の遷移と、佐々木投手の可能性について解説する。

日本球界のイメージを変えた野茂

インタビューに応える日本人初のメジャーリーガー・村上雅則氏(2004年)

1964年9月1日にサンフランシスコ・ジャイアンツの一員として、日本人初のメジャーリーガーとなった村上雅則投手。しかし、その後30年間、村上氏に次ぐ日本人2人目のメジャーリーガーは誕生しなかった。

長く閉ざされて来た扉を大きく開け拡げたのが1995年にメジャーデビューを果たした野茂英雄投手だ。

野茂英雄氏(2005年)

豪快なトルネード投法と伝家の宝刀フォーク・ボールを武器に奪三振の山を築く投球で、全米の野球ファンを熱狂させた野茂英雄投手の大活躍で、“日本のプロ野球を格下”に見ていた全米の野球ファンやMLB関係者は、徐々にだが、その認識を改めて行く事になる。

野茂投手が衝撃のデビューを果たした翌年、日本プロ野球を経験せずにマック鈴木投手がマリナーズでメジャーデビューを飾り、1997年には日本プロ野球界から長谷川滋利投手、伊良部秀輝投手、柏田貴史投手が相次いでメジャーデビューを果たした。

その後も吉井理人投手、木田優夫投手、大家友和投手、そして、2000年には日本球界最高の守護神、佐々木主浩投手がメジャーデビュー。

1年目から圧巻の活躍を見せ、米雑誌の表紙を飾ったイチロー氏(2001年)

2001年にイチロー選手と新庄剛志選手がデビューするまでは、日本人メジャーリーガーは、総て投手だった。その後も続々とメジャーデビューを果して来た日本人投手達。

いつしか「日本のプロ野球を格下」に見ていた認識は消え去り、「日本プロ野球=優秀な投手王国」と言う認識が定番となっていった。

2022年シーズン開幕までに60人以上の日本人メジャーリーガーが誕生したが、40人以上が投手となっている。現在では、数多くのメジャー球団が日本球界をメインとした極東担当スカウトを置いている。

年俸総額は150億〜200億円?

そのスカウト陣の視線の先には、ホークスの千賀滉大投手、オリックスの山本由伸投手、そして先日、完全試合の偉業を達成したロッテの佐々木投手などが映っている。

特に佐々木投手の快投は、アメリカ国内でも大きなニュースとなり、注目度が急上昇している。

大谷翔平選手がそうだったように、25歳未満の選手に対しては契約金が大幅に制限されるルールが導入されている為に、「20歳の佐々木投手が直ぐにメジャーリーグに挑戦する事は無い」という認識で一致しているMLB関係者。

佐々木投手のメジャーリーグ挑戦は、年齢の制限が解除される2027年以降と予想されているが、もしその時点で現在の投球を維持、もしくは更なる進化を遂げた場合は、年俸総額150億円から200億円規模の大型長期契約が見込まれている。

来春開催予定のWBCで侍ジャパンの一員に選出され、圧倒的な投球を披露出来れば、その価値は更に向上して行く事になるだろう。

今後も、野茂英雄投手が開け拡げた扉を優秀な日本人投手が通って行く事は、間違いないだろう。

 

『AKI猪瀬のMLBとっておきコラム』は月2回配信予定。
フジテレビ野球HPでも掲載中。

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