日本球界に数多くいる助っ人外国人選手たち。そんな彼らが日本のプロ野球を経験した後、メジャーに移籍し大活躍する姿が散見されている。

今回の『AKI猪瀬のMLBとっておきコラム』では、MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏が、日本球界での経験を活かし、メジャーで躍動を続ける“逆輸入投手”達について解説する。

メジャー復帰組で最高年俸のマイコラス

日本球界を経て、MLB復帰を果たす選手は数多く存在します。特に投手に関しては、毎シーズンのようにMLB復帰を果たしています。

S-PARKプロ野球100人分の1位、2021年スピードボールナンバー1にも選ばれたロベルト・スアレス
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2022年シーズンでは、元阪神タイガースのロベルト・スアレス投手がパドレスと契約して悲願のメジャーデビューを飾りました。その他にも元広島東洋カープのブレイジア、元ソフトバンクホークスのマット・ムーア、元日本ハムのクリス・マーティンやアンソニー・バスなど、現在も数多くの元外国人投手がMLBでプレーを続けています。

そんなMLB復帰組の中で最高年俸を誇るのが、2015年から2017年まで巨人でプレーをしていたマイルズ・マイコラス投手です。

巨人時代のマイコラス(2017年6月・時事)

2009年のドラフトでパドレスから7位、全体204番目に指名を受けてプロ入り。プロ入り後は、160キロに迫る速球を評価され、マイナーでクローザーとして育成された後、2009年5月5日にパドレスの一員としてマイアミ・マーリンズ戦でメジャーデビュー。

パドレス在籍2年間では、中継ぎ投手として通算27試合に登板。残念ながらメジャーに定着出来ずにマイナー暮らしが続き、2013年11月20日にパドレスを戦力外。その後、11月25日にパイレーツにトレード移籍すると、同年12月30日に再びトレードでレンジャースに移籍。レンジャース1年目となった2014年には、先発陣に故障者が続出した為に先発投手としてメジャー復帰を果して、10試合に先発したマイコラス。しかし、先発投手としても十分な結果を残す事は出来ませんでした。

「今の自分は日本時代のおかげ」

しかし、この年のオフに、その後の野球人生を大きく変える出来事が起きます。

巨人で力投したマイコラス(2017年6月・時事)

2014年11月25日、読売巨人軍との契約が成立。通算3年間在籍した巨人で31勝13敗の好成績を残したマイコラスは、2017年12月5日にカージナルスと2年1550万ドルの契約を交わしてMLBに復帰。

復帰1年目となった2018年に、いきなり18勝を記録して最多勝を獲得しました。

「日本で様々な事を学習した。例えば投球術や配球など、間違いなく今の自分があるのは日本時代のおかげ」(マイコラス)

マイコラスの言葉通り、第一期MLB時代と復帰後の投球では、大きな違いが見られます。

先発投手として10試合に登板したレンジャース時代は、全投球に占める速球系の割合が62.2%、スライダー16.8%、カーブ11.7%、チャンジアップ9.3%。与四球率2.11、被本塁打率1.26本、防御率6.44でしたが、2018年は、速球系48.5%、スライダー25.8%、カーブ21.4%、チャンジアップ3%、与四球率1.30、被本塁打率0.72本、防御率2.83。

球は速いが制球力が無く、力押し一辺倒の投球から、洗練された投球に変化したのがデータでも明らかになっています。

4年6800万ドルの大型契約

2017年9月、巨人での最終戦を勝利で飾り、メジャーへと戻った(時事)

カージナルスは2019年2月26日に、契約が1年残っている状態で2020年からの4年6800万ドルの大型契約をマイコラスと締結。2019年に開幕投手を務めたマイコラスでしたが、2020年は右肘故障で全休。2021年も故障の影響で僅か9先発しか出来ませんでした。

現地アメリカでは、「4年の大型契約後は、年俸に見合った活躍が全く出来ていない。契約は失敗だった」と報道されています。しかし、今季は開幕から完全復活の予感を漂わす好投が続いています。

なお、日本で大きな話題となった元小学校の教員で美人妻のローレン夫人は、三人の子供と共に自宅の有るフロリダ州で専業主婦として幸せな生活を送っています。

AKI猪瀬
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