「覚悟はしていましたが、3カ月くらいは触ることもできませんでした。そしてある日、ひどい下痢をしてしまって。無理やり捕まえて病院に連れて行ったら『腫瘍があります』と言われたんです」

手術前日
手術前日

多頭飼育崩壊現場にいたチヂミちゃんは、避妊手術もされていなかった。そのような状態の猫は乳がんのリスクが上がってしまうのだという。

「検査を受けたところ、『乳腺由来の腫瘍なので8割は悪性腫瘍、つまり乳がんだと思ってください。心臓も大きいので心肥大症の疑いもあります』とお医者さんには言われました。ただ『手術を頑張ってみましょう』と後押しもしてくださって。それで実際に手術をしたら、まさかの2割の良性腫瘍で、猫と我が家のお財布が痛かっただけで済んだんです」

なでられる喜びを知った半年

手術後は「人なれが振り出しに戻ってしまい、頑張ったのを褒めてあげたくても近づけないのが歯がゆかった」そうだが、そこからチヂミちゃんの生活には少しずつ良い変化が生まれていった。

術後、再び丸刈りに
術後、再び丸刈りに

「先住猫とは時々しばき合うような関係ですけど(笑)、たまに一緒に寝たりもしています。チヂミちゃんは猫に興味があるので寄ってきてくれるんですけど、先住は『何だこいつ?』って逃げちゃう。でもそこも無理させずに、“先住ファースト”を心がけています」

先住猫の「らてくん」(手前)とは、一緒のベッドでお昼寝するまでの仲に
先住猫の「らてくん」(手前)とは、一緒のベッドでお昼寝するまでの仲に

時間をかけて、人との距離も縮まってきた。

「なでたり触ったりはできるようになりましたし、少しだけ抱っこもさせてくれるようになりました。特になでられるのは好きで、今は頭をぐいっと出してくるんです。優しくしてくれる人間に触れてこなかったから、『人間ってなんか怖い』と思ってた子なんだと思います」

少しだけなら抱っこもさせてくれるようになった
少しだけなら抱っこもさせてくれるようになった

チヂミちゃんは推定3~4歳とされていたが、動物病院では「もう少し上かもしれない」と言われたという。

「最初は1メートルも近づくと逃げていましたけど、それが近づけるようになり、今は人間とオモチャで遊ぶのも好き。チヂミちゃんは人に遊んでもらったこともなかったから、この年齢でも遊ぶのがすごく楽しいんだと思います。あと、ものを考えるときに左足をくるくる回すクセが可愛いんですよね。人なれには3年くらいかかると思っていたので、拍子抜けしている部分もあります」