人に慣れていない「シャーシャー猫」だけを集めた譲渡会「最強の保護猫譲渡会」(保護猫カフェねこかつ主催)。これまで4回開催され、そのたびに大きな反響を呼んできた。
では、その譲渡会で人なれしていない猫を迎えた人たちは、その後どのように猫と暮らし、どんな時間を重ねているのだろうか。
2025年5月末、第3回の譲渡会で長毛の猫・チヂミちゃん(推定3〜4歳、女の子)を迎えた田中千鶴さんに、半年が経った今の暮らしを聞いた。
寄付だけのつもりが「一目惚れ」
田中千鶴さんがチヂミちゃんと出会ったのは、2025年5月3日に開かれた第3回の「最強の保護猫譲渡会」だった。
私たち特集班が田中さんに会ったのは、その半年後、11月24日の第4回譲渡会。当日、田中さんは“チヂミの一族”とされる猫たち、多頭飼育崩壊の現場から保護された「チュクミ」や「キンパ」が参加すると聞き、会場を訪れていた。
「ネットで見て“絶対にきょうだいだ!”と思って来たんです。そっくりで、本当にかわいい」
そう笑いながらケージを覗き込む田中さんの表情は、まるで親戚の子に会いに来たようだった。
もともと田中さんはシャーシャー猫の譲渡を希望していたわけではなかった。
