人に慣れていない「シャーシャー猫」だけを集めた譲渡会「最強の保護猫譲渡会」が、2025年11月24日に東京・目白で開催された。
受け入れる側にも覚悟と経験が求められるこの譲渡会には、「この子たちにこそ幸せになってほしい」と願う、深い愛情を持つ来場者が集まった。
普段は光の当たりにくい猫たちが小さなサインを発し、それを見逃さない“最強の飼い主”と出会う…その静かで温かな現場を取材した。
“最強の飼い主”との真剣な出会い
第4回目を迎えた「最強の保護猫譲渡会」には、43頭の猫と、主催する保護猫活動団体「保護猫カフェねこかつ」のボランティアスタッフ約25人が参加した。
普段は埼玉県内のホームセンターなどで譲渡会を行うことが多い「ねこかつ」が、あえて都内の有料の会場を借り、多くの人手を割いてまでこの譲渡会を開く理由は何か。代表の梅田達也さんはこう語る。
「この『最強の保護猫譲渡会』には、買い物のついでに立ち寄る方というよりも、人なれしていない猫の譲渡会と知ったうえで、『それでも見てみたい』と思う人にこそ来てほしいと思っています」
梅田さんは、「最強の保護猫譲渡会」の“最強”という言葉に、猫だけでなく“受け入れる側も最強”であってほしいという意味を込めている。つまり、人なれしていない猫の譲渡を希望する人には、やはりそれなりの猫の知識や経験、そして覚悟が求められるわけだ。
それにもかかわらず、14時の開場と同時に30人ほどの来場者が入場し、会場はすぐに熱気に包まれた。
小さなアイコンタクトが結んだ運命の糸
会場の熱気とは対照的に、猫たちはみな固まったように動かない。
