「この『最強の保護猫譲渡会』の存在は知っていましたが、以前は行きづらい場所での開催で。3回目からアクセスしやすい会場になったので、足を運んでみたんです」

田中千鶴さん(特集班撮影)
田中千鶴さん(特集班撮影)

すでに5歳の先住猫を飼っており、来場は“保護活動を応援したい”という気持ちからだった。

「先住猫も育児放棄から保護された子だったので、以前から保護活動に興味がありました。それで『お金や時間の問題で自分は活動に参加できないので、寄付して応援しよう』という気持ちで向かったので、まさかその場で譲渡を申し込むとは思ってもいませんでした」

チヂミちゃんの譲渡を申し込んだ理由は、「一目惚れ」。

2025年5月3日の譲渡会の際、ケージの奥で「ふてくされていた」チヂミちゃん
2025年5月3日の譲渡会の際、ケージの奥で「ふてくされていた」チヂミちゃん

「『人なれしていなくて手も出ますよ』と言われましたし、多頭飼育崩壊の現場の出身だったため、毛玉と汚れで体毛を刈られて丸ハゲの状態でした。でも、ケージの奥の方でふてくされている感じの姿が、私には本当に可愛く感じられたんです」

また、譲渡を申し込んだのは先住猫との相性を考えてのことだった。

田中さんの家に来た日。トイレに隠れ、先住猫の「らてくん」と対面
田中さんの家に来た日。トイレに隠れ、先住猫の「らてくん」と対面

「先住猫は『人は大好きだけど猫は見たことがない』という状態だったので、新しい子を受け入れる場合は、その子を最優先と決めていました。その点、チヂミちゃんは『猫がいっぱいいる場所にいたので猫と過ごすことには慣れています』と聞いていたので、『うちは猫だけでの留守番も多いし、私とは仲良くなれなくても2人で仲良くしてくれたら』と思ってトライアルを決めたんです」

「8割悪性」の診断と数十万円の治療費

しかしその後は、想定外のトラブルが続いた。