「1000回落としても割れない食器」として人気ブランドとなり、インスタグラムでは約30万のフォロー(2025年6月時点)がつき食器ブランドでは日本一のフォロワー数になっています。そして、2025年には、全社売上の7割、20億円を占めるに至る急成長を遂げています。

成功体験が積み重なっていくと

2025年現在、従業員の方々のリスキリングの成功体験が加速し、現在ではChatGPTを活用して従業員の方々業務効率化アプリを開発し、電話やファックスでの業務や事務作業の低減にも取り組んでいるそうです。

これだけ短期間でOEM事業から、自社食器ブランドを中心とした事業ポートフォリオの転換と事業成長ができた理由は、全社のあらゆる面における生産性の向上とデジタルトランスフォーメーションへの取り組み、未経験だった従業員への丁寧なリスキリング支援があったからだと仰っていました。

リスキリングに取り組んで良かったことは何か?という質問に対して、石川専務は、「従業員のみんなが前向きになった」との回答でした。みんなが同じ方向を向いて、仕事を頑張っていこうという雰囲気が生まれているそうです。そしてメディアの取材を受けたり、ビジネス分野の表彰を受けたりするところから、自社を応援してくれる人たちが増えていることが何より嬉しいとのことでした。

リスキリングを通じて、自分の仕事に誇りを持てる従業員の方々が生まれている素晴らしい取り組みですので、ぜひ読者の皆さんの会社でも、取り入れて挑戦して頂けましたら幸いです。

『AI 時代の組織の未来を創るスキル改革 リスキリング【人材戦略編】』(日本能率協会マネジメントセンター)

後藤宗明
一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事。SkyHive Technologies 日本代表。著書に『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング【実践編】』(ともに、日本能率協会マネジメントセンター)、『中高年リスキリング』(朝日新聞出版)がある。

後藤宗明
後藤宗明

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事。SkyHive Technologies 日本代表。
早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ 銀行)入行。営業、マーケティング、教育研修事業を担当。2020年、10年かけて自らを「リスキリング」した経験を基に、リクルートワークス研究所にて「リスキリング~デジタル時代の人材戦略~」「リスキリングする組織」を共同執筆。2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。2022年、AIを利用してスキル可視化を可能にするリスキリングプラットフォーム、SkyHive Technologiesの日本代表に就任。
石川県加賀市「デジタルカレッジKAGA」理事、広島県「リスキリング推進検討協議会/分科会」委員、経済産業省「スキル標準化調査委員会」委員、リクルートワークス研究所 客員研究員を歴任。政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う。