東京・西東京市の住宅で母親と息子3人が亡くなった事件で、母親名義のマンションから遺体で見つかった男性が寝込みを襲われた可能性があることが分かりました。

22日夜、練馬区のマンションのクローゼットから10カ所以上の刺し傷や切り傷がある中窪新太郎さん(27)の遺体が見つかりました。

その後の捜査関係者への取材で、中窪さんは長袖のシャツに下着姿で発見され、ベットには血痕が残っていたことが分かり、寝込みを襲われた可能性があるということです。

先週、西東京市の住宅では母親と子ども3人が亡くなる事件が起きていて、中窪さんは亡くなった母親の交際相手だったとみられています。

警視庁は2つの事件の関連を調べています。

この西東京市と練馬区で起きた2つの事件に関連はあるのでしょうか。
元埼玉県警捜査1課の佐々木成三さんとお伝えします。

まず、この2つの事件を振り返ります。

最初の事件が起こったのは19日のことでした。
東京・西東京市の住宅で、母親と息子3人が倒れているのが発見され、その後、死亡が確認されました。

父親の通報をきっかけにこの事件は発覚したということですが、当時住宅には鍵とチェーン錠がかかっていたということで、警視庁は無理心中を図った可能性があるとみて調べているということです。

そして22日、西東京市の住宅から約5.5km離れた練馬区の、この母親名義で借りていたマンションで、会社員の中窪新太郎さんが遺体で発見されました。

遺体はクローゼットの中で発見され、養生テープで目張りをされていたといいます。
さらに十数カ所に刺し傷があり、警視庁は殺人事件と断定して捜査をしているということです。

そして、亡くなった中窪さんと亡くなった母親は交際関係にあったとみられることが新たに分かりました。

青井実キャスター:
2人は交際していたとみられ、母親名義のマンションに中窪さんがいたということの関連はどうみますか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
まず警察は、こういった事件があると、この事件2つは分けて捜査をします。分けて捜査したうえで、1つ1つの事件の証拠を集めて、点を集めて、その点が2つの事件で線になった場合というのは関連性が疑える。この2人に交友関係があるということ、あと携帯電話が見つかった。こういった状況が線になっているということで、関連している可能性が高いと警察は疑っているところだと思います。

この事件との関連は分かりませんが、母親と練馬の接点について、情報も出てきています。

西東京での事件直前の午後5時ごろ、母親から父親に対して「練馬で待ち合わせ」とLINEが来たといいます。
それに対して、父親側が電話で「練馬で待ち合わせと聞いたけどどこにいるの?」と聞いたということですが、母親は電話を切って、その後、連絡が取れなくなったということです。

宮司愛海キャスター:
佐々木さん、こういった点に関してはどうみますか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
僕はこれも点が線になっている1つの状況証拠になると思います。「練馬」というワードが母親にとってどういう意味だったのか。この時系列でいうと、練馬ではすでに事件が発生したあとになりますので、こういったところから、警察は母親の関与を疑って捜査しているところだと思います。

青井実キャスター:
ここまで見てきて、犯人像について、現場の状況からどういったことが分かりますか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
これは本当に分けている中でなんですが、練馬区のマンションにおいては、鍵がかかっているということ。被害者が寝込みを襲われているということは、寝込みの時に疑わずに誰かが介在しているわけですから、こういった状況からして、中窪さんの交友関係者が疑わしいというのは、この状況からも分かります。あと牛刀ですね。かなり殺意があるということもこういう状況から分かりますね。

そして、中窪さんの遺体が発見される前の詳細も新たに分かってきました。

遺体が発見される8日前の14日に、中窪さんがマンションを出入りする様子が防犯カメラで確認されました。
そして、その2日後の16日、会社用の携帯電話で上司に「体調不良で休む」といった内容のメッセージが送信されていました。
そして19日に西東京市での無理心中とみられる事件があったということです。

青井実キャスター:
パックン、この事件どうみますか?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
練馬の方の殺人事件は2つ気になる点があって、1つは第三者の出入り、その形跡があるかどうか報告があれば教えていただきたい。あと事件の計画性、動機についてはどうでしょうか?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
警察は14日から防犯カメラの捜査を行っています。第三者の介在があるのか。あと目張りですね、リビングに目張りをしているその意味が何なのかというと、牛刀は部屋の中に置いてあるわけですから、遺体を隠すというよりか、僕の過去の捜査経験だと、臭いを防ぐために目張りをしていたことも十分考えられますね。何度も出入りしている人物が疑わしいなというのは感じますね。

青井実キャスター:
今後の捜査のポイントは?

元埼玉県警・佐々木成三さん:
この事件、2つ分けて捜査しています。まずは西東京の事件。これは4人亡くなっているわけですから、この中で他害なのか自害なのか損傷部位で分かりますので、これが無理心中ということに関しては、チェーン錠がかかっていたり、いろんな状況からして、誰が自害で誰が他害なのか明らかにする。そこから練馬区の事件の捜査の中で、容疑者が誰なのかを特定する捜査になりますね。