妻の連れ子に対して、無理やり性交した罪に問われている男の裁判が12月17日から静岡地裁で始まった。男は自らの行為を認めつつ、「強制という部分が傍から見ればそうだが、そこまで強引ではなかったと思う」と起訴内容の一部を否認している。
妻の連れ子に性的虐待
強制性交等の罪で起訴されているのは静岡県中部地区に住む会社員の男(10月22日の逮捕当時59歳)だ。
男は2018年8月頃から10月頃までの間、自宅で妻の連れ子である養女(当時12歳)と性交した罪に問われている。
12月17日に開かれた初公判で、起訴内容について問われた男は「おおまかに合っている」と口にした上で、「強制という部分が傍から見ればそうだが、そこまで強引ではなかったと思う」と一部を否認。
このため、丹羽芳徳 裁判長が「概ね合っているけれど、無理やり性交したわけではないということか?」とたずねると、男は「はい」と答えた。
“鬼畜の所業”とも言える悪行の数々
公判の中で明らかになったのは男の“異常性”だ。
検察によれば、男は再婚に伴い2017年11月から妻と被害に遭った養女を含む妻の連れ子2人と同居するようになった。
この時、養女は小学6年生だった。
すると、養女が中学校に上がった2018年4月、「デッサンのモデルになってほしい」という口実で裸にし、「体の形を確認したい」などと理由をつけて胸や性器などを触るようになったという。
また、養女が性的に無知であることを利用して、自らの性器を触らせたり、舐めさせたりするようにもなった。
養女の供述調書によれば、中学1年生になった頃から男が「体を触らせてほしい」と言ってきて、一緒に寝るようになったそうだ。
さらに、同年7月頃には「お前の処女が欲しい」と言い出し性交に及ぶと、その後も自らに恋愛感情を抱かせるように手なずけ、養女に性交等の性的行為に応じさせるなど、その関係は2025年に至るまで続いていたと指摘されている。
検察側が読み上げた供述調書によると、男は「養女が中学生の頃から恋愛対象として好きになった」と述べた上で、養女との性交はこれまでに数十回以上に及ぶことを認めていて、被害に遭った養女の供述では、性交は自宅だけでなく、男の勤務先や車内でも行われた。
祖母に性的虐待を打ち明け警察へ
事件が発覚したのは2025年9月。
養女が母方の祖母宅を訪れた際、まだ暑い季節にもかかわらず長袖を着用していることを祖母が不審に思いたずねたところ、継父からの性的虐待を打ち明けたため、それを伝え聞いた伯父が本人の了承を得た上で警察に被害を届け出た。
養女は捜査機関に対して「届け出てよいものか悩んだが、継父がやってきたことは犯罪だとわかってほしくて届け出た」と話しているという。
養女が性的虐待を受けてきた期間は実に7年。
ただ、今回は近親者に対する性犯罪ということで、被害者保護の観点から男の氏名や生年月日などは明らかにされていない。
