何げない会話でも「自分の話」が思うようにできない…。そうした人は相手から「つまらない」などとジャッジされることにおびえたり、「話さなきゃよかった」と後悔した経験があるからかもしれない。
しかし、それはあなたが「相手を信用していない」ことにもつながっているという。
2020年にマンツーマン雑談サービスを立ち上げた桜林直子さんは著書『あなたはなぜ雑談が苦手なのか』(新潮新書)で、「自分の思っていることに自信がなくて話せなくても、相手を信用していたり、信用してほしかったら、まずは話すしかない」と述べている。
本書から、なぜ話すのが怖いのか…。そう思ってしまう人が話すうえで心にとめておきたいことを一部抜粋・再編集して紹介する。
否定とジャッジされる怖さで
自分の話をしようとすると、「そんな考えは間違っている」「言っても聞いてもらえないだろう」と自分自身でジャッジして話せなくなってしまう。自分をよく知り、仲良くなったところで、その声はなくなるだろうか。
自分の中だけなら「わたしはそう考えているのだな」と認められても、他者に向けて話すときに、別の何かが邪魔をする。
話そうとすると、相手にどう思われるかを考えてしまい、怖くなって躊躇する。何が怖いかといえば、ひとつは、否定されたりつまらないと思われるなど「ジャッジされこと」だろう。自分の思いや考えを正直に出しても、それが正しいかどうかは相手が決めるのだとしたら、たしかに怖くて出せない。
残念ながら、実際にジャッジされる場面もよくある。相手は良かれと思って「こうしたほうがいいよ」といったアドバイスが正解不正解のジャッジにつながってしまうこともあるし、意見交換のつもりで「わたしはそうは思わない」と言われたら、自分の考えを否定されたと感じてしまうこともある。
そういった「話さなければよかった」と後悔するような経験が、話すのが怖いと感じる原因なのだろう。しかし、「この人に話したのは間違いだった」と思うのはわかるものの、「人に話すとこうなる」と、誰に対しても話すのが怖くなるというのは、いささか飛躍してはいないだろうか。
「自信がない…」は本当?
相手がどう思うかが怖くて自分の話ができない人たちは、口をそろえるかのように「自信がないからだ」と言う。しかし、本当にそうだろうか。
