10月6日からウズベキスタン・タシケントで開幕する、2022世界柔道選手権。

この舞台に五輪金メダリストとして堂々の凱旋を果たすベテランがいる。

男子60キロ級東京五輪王者、自身6回目の世界選手権出場となる髙藤直寿(たかとうなおひさ・29)だ。

2024年のパリ五輪挑戦を明言

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初めての五輪となったリオデジャネイロでは銅メダル。そこから死に物狂いの4年を踏み越え、大願は成就した。

年齢的にもここで区切りを打ってもおかしくなかった東京五輪のあと、金メダリストはすぐさま2024年のパリ五輪挑戦を明言した。

「『五輪金メダリストとして、連覇のかかる次の五輪を目指す』。その過程もやってみたかった。五輪金メダリストとして現役でいることが大事で、だからこそ発信できることも多いんじゃないかと。っていうか、勝てるし。辞める必要ないんですよね(笑)」

いたずらっぽさも髙藤の魅力だ。

ただ、そんな言葉に真実味を感じるほどに、今の髙藤は強い。

e-SPORTSで夜な夜な磨く「柔道IQ」

幼少期から、その活躍は際立っていた。

カデ(大会開催年時点で15歳以上18歳未満)、ジュニア、シニアと全年代の世界王者に輝いている数少ない柔道家の一人だ。

立ってよし、寝てよし、豪快も繊細も使いわける「ハイブリッド柔道」で、派手な必殺技はなくとも、全てがハイレベルにこなせる、オールラウンダーの最終形態。

何より特筆すべきは、その膨大にある技や動きの引き出しを、瞬時に的確に開けていく「柔道IQの高さ」だ。

「分岐がたくさんある相手の行動チャートを、ひとつずつ潰していくんですね。で、最後に残った1つのアクションに、自分の技をあわせて投げる。技の無駄打ちが減って、無理しなくてもワンチャンスで投げられるようになりました」

相手の動きを先回りする「読み」と、ワンチャンスを逃さない「決め」の確かさを持つ髙藤。

柔道家ならだれもが欲しいその感覚を、髙藤は夜な夜な、自宅で磨いている。

「柔道より真剣な顔してる」と笑う髙藤がハマっているのは「e-SPORTS」。

プロチームのアンバサダーを務めるほどの“ガチ勢”だ。

対戦型のオンラインゲームで初対面の中高生を相手に、「読み」と「決め」を反復練習するのが、髙藤の日常だった。

「相手を誘導して、追い詰めて、ワンチャンスで仕留めることとか、感覚の部分では本当にスポーツとして一緒だなと思う。苦手な操作は練習して上手くなるしかないところも、ほんと一緒。減量中、時間があっという間に過ぎてくれて本当に助かってますね」

「僕らしい柔道」で金メダルを狙う

髙藤の影響で、e-SPORTS界にも柔道ファンが徐々に拡大している。

e-SPORTSの力を借りて柔道の盛り上げにも貢献したいと考えれば、この世界選手権、チャンピオンの座を譲るわけにはいかなくなる。

「柔道ファンじゃない人が応援してくれるようになったのは、金メダリストになってよかったなと思う。この世界選手権で勝てば、また五輪へ大きく近づける手堅さもありつつ、ちょっと投げにもこだわるような、東京五輪より僕らしい柔道で、金メダルしかない」

そう語る髙藤はまた、いたずらな笑みを浮かべる。

「テーマは『シン・タカトウナオヒサ』で!…エヴァじゃん!(笑)」

「次回。決戦、世界選手権タシケント。」を、お楽しみに。

念願の“金ゼッケン”で挑む髙藤の世界選手権。e-SPORTで磨いた頭脳戦を武器に金メダルを目指す。

2022世界柔道選手権
10/6開幕!
フジテレビ系列で8夜連続中継!
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/index.html