10月6日からウズベキスタン・タシケントで開幕する、2022世界柔道選手権。

その舞台で、日本柔道最重量級の歴史に新たな1ページが刻まれる。

日本の“お家芸”である柔道で、最強と評される“最重量級”を勝ち取ることは至上命題。これまで山下泰裕、小川直也、篠原信一など、名だたる柔道家たちがその地位を掴み取ってきた。

今大会の主人公は、柔道界最強のDNAを持つ男子100キロ超級・斉藤立(さいとうたつる)、20歳だ。

日本最重量級のホープ

世界選手権初出場となる斉藤立。

これまでに100キロ超級としてロシアジュニア国際大会、全日本ジュニア選手権など、名だたる大会で優勝を重ねてきた。

この記事の画像(8枚)

足のサイズは、中学の時点で34センチと規格外。

2022年4月には、“日本一の柔道家”を決める全日本選手権を20歳1カ月という史上3番目の若さで制した、日本重量級のホープだ。

1948年に始まった全日本選手権は、歴代優勝者に全日本柔道連盟会長の山下泰裕や、男子日本代表の鈴木桂治などそうそうたるメンバーが名を連ねる、伝統の大会。

その歴史の中でも斉藤は唯一、“親子二代”で優勝を果たした。

受け継がれる金メダリストの遺伝子

「やっぱり目指している柔道というのはお父さんの柔道なので、勉強になるものばかりです」

斉藤の父は7年前に他界した柔道界のレジェンド・斉藤仁さんだ。

ロサンゼルス五輪で金メダル、そしてソウル五輪で日本柔道界唯一の金メダルを獲得し、最重量級でオリンピック2連覇。

現役引退後は日本代表監督となり、一切の妥協を許さない鬼の指導で、鈴木桂治や石井慧など数々のメダリストを輩出した。

その指導方針は、小さな我が子でも同じだったと斉藤は語る。

「スイッチが入ったらもう絶望というか、ほんまに恐怖でしかないような存在でしたね。一番最初に教えられたのが体落(たいおとし)で、小さい頃からやってきたのも体落で」

斉藤立の最大の武器は父・仁さんから学んだ「体落」だ。それは父自身も得意としていた技。

小さい頃から組手の位置、体の角度をミリ単位のズレも許されない厳しい指導を受けたという。

「いざという時に頼りになるというか、自分の柔道の軸になっていると思うのは“体落”なので、一番大事な技です」

「もう主人にしか見えない」と語る母

父・斉藤仁さんとの2ショット
父・斉藤仁さんとの2ショット

斉藤のすぐ側で成長を見続けてきた母・三恵子さんは、最近その姿が仁さんと重なってきたという。

「汗を拭くところとか、柔道着を直すところとか、寝技に抑え込んでいる時の足の形というか。『もう主人にしか見えない』という時もあるくらい、遺伝子って凄いなと思って。

立の柔道が100%できれば誰にも負けない自信があります」

鈴木桂治監督
鈴木桂治監督

その遺伝子の凄さを誰よりも知る日本代表・鈴木桂治監督も、大きな期待をかけている。

「色んな意見がありました。

やっぱり『(斉藤)立にはまだ早いんじゃないか』とか。『影浦(心・同階級)は去年世界選手権で優勝して全日本2位だよ、影浦じゃないか』とか。色んな意見があったので、それも全部総合して集約して選んだのが立です。

『日本一、イコール世界一』というのをぜひもう一回見せてもらいたいなという思いは、やはり持っています」

さらに、同じ階級で世界と戦ってきた鈴木監督だからこそ、“最重量級”の重みを斉藤に託すつもりだ。

「色んな期待が立には、最重量級って色んな期待がかかってるんですよ。だからこその最重量級だと思いますし、柔道家以外の人もやっぱり最重量級のこと分かってるんですよ。

山下、斉藤でしょ、小川でしょ、篠原でしょってなるわけですよ。どれだけ注目されているかということと、それにかかる期待。それにかかる宣伝効果と。それもひっくるめて、立には大きな期待をしています」

日本柔道界の威信をかけ、最強のDNAを引き継いだ20歳がついに世界デビューを果たす。

「世界一になってオリンピック優勝して、人生変えたいなと思っています。
そのためには、この世界選手権というのは物凄く大事な試合だと思うので、なにがなんでも優勝したいですね」

2022世界柔道選手権
10/6開幕!
フジテレビ系列で8夜連続中継!
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/index.html