(4)スキルの陳腐化
変化し続ける環境下において、新しいテクノロジーや働き方の変化等により、そのスキルの重要性が徐々に失われていきます。自動化や代替手段の普及によって、スキルの活用機会が減少し、投資対効果が下がっていきます。新たに登場する後継スキルに引き継がれる場合もあります。

(5)スキル需要の消滅
業務において完全に不要とされ、教育や求人からも姿を消します。かつては主力スキルだったものも、時代遅れとなり、歴史的知識としてのみ語られる状態になります。

このようにスキルのライフサイクルがあることを理解していると、一旦静的なスキル管理表を作っておしまい、という方法では難しいことがおわかり頂けると思います。

生成AI分野におけるスキルのサイクル

上記のスキルのライフサイクルのプロセスが実は生成AI分野で短期間で起きていることをご存知でしょうか。

2022年11月にOpen AIのChatGPTがリリースされてから急激に注目された職種がプロンプトエンジニアです。ところが生成AIの急激な進化やバージョンアップとともに、必要なスキルが変化しているのです。

AIと対話する際に「プロンプト」が必要だったが…(画像:イメージ)
AIと対話する際に「プロンプト」が必要だったが…(画像:イメージ)

AIと自然言語で対話し、意図する出力を得るには「プロンプト」と呼ばれる指示文が必要であることがわかると、一部の先進企業や技術者がその設計ノウハウを探求し始めました。

これが、プロンプトエンジニアリングというスキルの誕生期でした。そして2023年からChatGPTをはじめとする生成AIの利用が急速に拡大すると、「プロンプトの書き方」が実務上のスキルとして注目され始めました。