「刃の素材が鋼の場合は使用不可が基本です。柄の材質によって不可の場合もありますし、柄を含む全体がステンレス製の包丁の場合も、柄と刃体の溶接された部分の強度などが理由で使用不可のものがあります」(包丁マイスター・林泰彦さん)

そのため包丁は手洗いが必要になるが、スポンジで洗う際は刃側ではなく背側から挟んで洗うのが、怪我を防止するうえで大切だ。ふきんで拭くときも含めて、刃側から挟んでしまうと手を切るリスクがあるので注意しよう。
ステンレスの刃に漂白剤はNG
刃物以外の部分がプラスチック製の千切り器(しりしり器)では、ニンジンなどの着色汚れが着いてしまうこともあるが、これにはオススメの落とし方があるという。
「食用油を染み込ませたキッチンペーパーを汚れ部分にしばらく当て、その後スポンジで洗うと落ちやすくなります」(広報宣伝部・林莉子さん)
スライサー、千切り器やおろし金では、そうした着色汚れや、にんにく等の匂いがついてしまうこともあり、漂白剤を使っている人もいるかもしれないが、ステンレス製の刃の部分に漂白剤はNGだ。

「特に塩素系漂白剤に含まれる塩素は、ステンレスのサビを防ぐ酸化皮膜(不動態皮膜)の修復作用を壊してしまいます。その結果、サビが進行しやすくなるので使用は避けてください」(包丁マイスター・林泰彦さん)
そして、どの刃物製品も、洗浄後は乾いた布でしっかり水分を拭き取ることが大切だ。
「ステンレス製の刃は基本的にサビにくいですが、他のサビた刃物と接触すると『もらいサビ』をするリスクがあります。ピーラーなどは引き出しにまとめて保管するよりも、吊るせる場合は吊るして保管するのが理想的です」(広報宣伝部・林莉子さん)