家庭の包丁の「基本の1本」といえば三徳包丁。ただ、料理好きの人の場合などは、実は別の包丁のほうが便利な可能性がある。

貝印の包丁マイスター・林泰彦さん
貝印の包丁マイスター・林泰彦さん
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「包丁選びに悩んでいる方」や「もっと料理を楽しみたい方」に向けて、包丁選びの基本や、2本目のおすすめ、価格帯による性能の違いなどを、貝印の包丁マイスター・林泰彦さんに聞いた。

三徳包丁と牛刀の違いは?

三徳包丁は、肉、魚、野菜など多様な食材を切るのに向いており、刃の長さ=刃渡りも165mm程度と標準的。“万能包丁”の代名詞だ。

三徳包丁(画像提供:貝印)
三徳包丁(画像提供:貝印)

「包丁の市場調査でも、ユーザーの半数以上が三徳包丁を使っているというデータがよく出てきます。実際に多くの方にお勧めできますが、我々が行った調査では『料理好きの方の場合は三徳包丁より牛刀を選ぶことが多い』という結果が出ています」

牛刀(画像提供:貝印)
牛刀(画像提供:貝印)

牛刀は三徳包丁より刃渡りが長めで、なおかつ先端が鋭くカーブしているのが特徴。魚・肉の薄切りや、切先(きっさき)を使った小細工などで便利に使うことができ、「シェフズナイフ」とも呼ばれる。

「日常の料理は三徳包丁でも可能ですが、牛刀のほうが切先と呼ばれる先端部分が三徳よりも尖っているので、料理好きの方はより便利に使えます。またモノにこだわる方にも見た目のカッコいい牛刀はおすすめです。牛刀の刃渡りは、貝印製品の場合でも150~300mmまで幅がありますが、180~210mm程度のものが使いやすく、収納もしやすいでしょう」

キッチンの状況や年齢等によっても、「基本の1本」におすすめの包丁は変わってくる。