1月4日(木)に開幕する第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(以下、春高バレー)。

下北沢成徳時代の石川真佑(写真提供:月刊バレーボール)
下北沢成徳時代の石川真佑(写真提供:月刊バレーボール)
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今年の春高バレーも、次世代の日本代表を担うことが期待される逸材が勢揃い。新たなヒロインを探るべく、今大会女子の注目選手を、現役日本代表選手による独自分析で紹介する。

石川真佑が見たNEXT候補・髙橋凪

身長174cmと小柄ながら高い得点力を誇る、日本代表の石川真佑(23)。パワフルなスパイクとコースを打ち分ける高い技術を持つアタッカーだ。

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023

そんな石川を思わせるアタッカーが今大会の春高バレーに初出場する。就実高校(岡山)2年生の髙橋凪(たかはしなぎ)選手だ。

髙橋選手の身長も167cmと低い。しかしその武器を聞くと力強い答えが返ってきた。

NEXTヒロイン・就実高校 髙橋凪選手
NEXTヒロイン・就実高校 髙橋凪選手

「機動力を活かした攻撃で、ブロックアウトを取ることです」

167cmからのパワフルスパイク

石川真佑と同じく、パワフルなスパイクを得意とする髙橋選手。高いブロックに果敢に打ち込む姿は石川のプレーをトレースしたような感じだ。そんな髙橋選手のプレー映像を石川に見てもらった。

石川を彷彿とさせる髙橋選手のスパイク(写真提供:月刊バレーボール)
石川を彷彿とさせる髙橋選手のスパイク(写真提供:月刊バレーボール)

「身長が低い分ジャンプしてしっかり打ち込むっていうところでは、私と似ている部分もあると思います。髙橋選手は身長が低くてもしっかりジャンプしているので、すごいなと思いますね」

さらに、髙橋選手の武器は強烈なスパイクだけではない、と石川は映像を見て分析する。

現役日本代表が春高バレー出場選手を独自分析
現役日本代表が春高バレー出場選手を独自分析

「髙橋選手は相手ブロックがいる時に下に打たずに、長いコースにしっかり打つことができていますね。相手ブロックの間が空いたら、しっかり打ち込むことはしていて、ブロックの状況を判断して打てていると思います」

「相手ブロックの状況を判断している」と石川真佑
「相手ブロックの状況を判断している」と石川真佑

石川が指摘するように、コースを打ち分けるテクニックこそ、髙橋選手の武器。

このコメントを髙橋選手に見せると、驚きとともに笑顔を見せた。

石川真佑の分析に笑顔を見せる髙橋選手
石川真佑の分析に笑顔を見せる髙橋選手

「すごっ!やばいです!1年生の時に下にばっかりスパイクを打って、シャットされることが多くて。もっと技術を身につけないと、ということで、ブロックアウトだったり長いコースに打ったり工夫をしていたので、その成果が出ているのかなと思います」

髙橋凪選手 NEXTヒロインの将来性

「ディフェンスのシーンでは、(味方の)ブロックがタッチして、落ちそうなボールでも最後まで上げにいっているシーンもあったので、ディフェンスもオフェンスもしっかりできる選手ですね」

ディフェンスもオフェンスもできていると太鼓判(写真提供:月刊バレーボール)
ディフェンスもオフェンスもできていると太鼓判(写真提供:月刊バレーボール)

小柄なことについても、それだけではない、と石川はエールを送る。

身長の低さをどう活かすか 取り組むか
身長の低さをどう活かすか 取り組むか

「身長が低いから、と周りから思われることもあると思うんですけど、それをどう活かすかも、自分自身が取り組むことで変わってくると思います。これからもすごく楽しみな選手だと思います」

去年棄権へのリベンジ 春高初舞台へ

3連覇がかかった去年の春高バレーは、新型コロナの影響で直前に大会を棄権することとなった就実高校。髙橋選手はその時流した先輩たちの涙も背負って、初めての舞台に立つ。

髙橋凪選手 春高バレー初舞台へ
髙橋凪選手 春高バレー初舞台へ

「自分たちだけの春高じゃないというのをしっかり頭に入れて、日頃支えてくださっている方や応援してくださっている方に、結果で恩返しができるように日本一目指して頑張ります」

次世代の日本代表を担う逸材としてこの大会で輝くヒロインは誰か。そして都道府県予選から一度も負けることなく、全国3551校の頂点に立つのはどの高校か。

超満員の応援団からの歓声に包まれて繰り広げられる青春ドラマの開幕は1月4日(木)だ。

岡山代表・就実高校は1回戦で大分代表の東九州龍谷と対戦する。

春の高校バレー
準決勝:1月7日(日)午後4時
決勝:8日(月・祝)午後1時50分
フジテレビ系にて放送