1月4日(木)に開幕する第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(以下、春高バレー)。
前回大会の春高バレーは、新型コロナウイルスの影響で、全国大会の準決勝・決勝を除き、無観客または観客数を制限して開催されたが、今回は4年ぶりに有観客・大歓声の中、東京体育館で開催される予定となっている。

そしてこの春高バレーは日の丸を背負うヒーロー、ヒロインたちのルーツでもある。日本代表の原石はこの舞台で磨かれ、未来へと輝きを放ってきた。

今年の春高バレーも、次世代の日本代表を担うことが期待される逸材が勢揃い、新たヒロインを探るべく、今大会女子の注目選手を、現役日本代表選手による独自分析で紹介する。
古賀紗理那が見たNEXT候補・秋本美空
パリオリンピックを目指す女子日本代表のキャプテンであり、女子チームの“絶対的エース”古賀紗理那(27)。

高校1年生の時からチームのエースとして活躍。春高バレーでは熊本信愛女学院1年生の時に、チームのベスト4進出をけん引。冷静な判断力と圧倒的なテクニックで唯一無二の存在となり、優秀選手賞にも輝いた。

今大会にはそんな古賀を思わせる若きエースがいる。共栄学園(東京)2年生の秋本美空(あきもとみく)選手だ。
母はロンドン五輪・銅メダリスト
身長184cmと恵まれた体格の秋本選手。実は、2012年ロンドン五輪で女子バレーを銅メダルに導いた、元日本代表・大友愛さんの長女だ。

母譲りの高さを生かし(母・愛さんも184cm)、去年の春高では1年生ながら共栄学園のスタメンとして出場。高い打点からのスパイクで得点を重ね、エースとして活躍。ベスト8進出に貢献した。

さらに去年3月。高校生ながら”メンバー最年少”で日本代表にも初選出され、その将来性に注目が集まっている。そんな秋本選手のプレー映像を古賀に見てもらった。

「キレがしっかりあるのと、やっぱり身長が高いですよね。その高さを生かしているなっていうのをまずは、一番に感じました」
やはり古賀の印象に残ったのは、母・愛さんから引き継いだ高さ。

バレー選手のとって欠くことのできない天賦の素質だが、秋本選手の武器は他にもあると言う。自身の高校時代と比較してもらった。
古賀紗理那「機動力があり全部すごい」
「すごいじゃないですか全部。スパイクもそうだしブロックを真ん中で飛んだ後にレフトに開いて、スパイクを打つ所とか。やっぱり機動力がすごくあっていいと思います」

ブロックに跳んでから、逆サイドに移動しスパイクを打つ。実はこの“機動力”を伴う攻撃力こそ、秋本選手の武器だ。
「やっぱりどこからでも、しっかり強打をしていて、しっかりボールを叩いているのが印象に残りました」

184cmという高い身長ながら、俊敏な機動力と強打力を持ち合わせ持つ秋本選手。高校生ながら日本代表に選ばれるのも納得の逸材だ。

当然のようにこの春高バレーでは、注目されるとともに相手チームから徹底したマークを受けることになるだろう。
秋本選手を“生かす”共栄のチームプレー
高校時代からエースとして注目され続けてきた古賀は、自らの経験を重ねて秋本選手にアドバイスを送る。

「注目されて大変だと思うんですけど、楽しくプレーしてほしいなと思います。私は注目されるのが嫌いだったから大変だったんですけど、他の選手がいるから、自分が輝いているかもしれないので、チームみんなで頑張ってほしいなと思います」
さらに、チームとしてのプレー映像を見てもらった。

「共栄学園の選手たちは、みんな秋本選手を生かそうと頑張っているのが、すごく伝わってきます。やっぱり秋本選手が決めやすい環境を周りがしっかり作っているのだろうな、と思います」
チームに感謝 そして日本一への決意
この日本代表の“絶対的エース”古賀からのインプレッション映像を秋本選手に見せると、本気の答えが返ってきた。

「みんながいるから自分がちゃんとプレーできていると思うので。みんなに感謝しながらプレーしたいと思います。たくさん点を取ってチームを盛り上げられたらと思います。日本一を獲りたいです」
古賀の高い評価に少し照れくさそうにしながらも、胸に秘めた強い決意を語った。

代表を経験し成長した姿で迎える2度目の春高。エースとしての覚悟をもって戦いに挑む。
次世代の日本代表を担う逸材としてこの大会で輝くヒロインは誰か。そして都道府県予選から一度も負けることなく、全国3551校の頂点に立つのはどの高校か。

超満員の応援団からの歓声に包まれて繰り広げられる青春ドラマの開幕は1月4日(木)だ。
東京代表・共栄学園は1回戦で古賀の母校、熊本信愛女学院と対戦する。
春の高校バレー
準決勝:1月7日(日)午後4時
決勝:8日(月・祝)午後1時50分
フジテレビ系にて放送