1月4日(木)に開幕する第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(以下、春高バレー)。
前回大会の春高バレーは、新型コロナウイルスの影響で、全国大会の準決勝・決勝を除き、無観客または観客数を制限して開催されたが、今回は4年ぶりに有観客・大歓声の中、東京体育館で開催される予定となっている。

そしてこの春高バレーは日の丸を背負うヒーロー、ヒロインたちのルーツでもある。日本代表の原石はこの舞台で磨かれ、未来へと輝きを放ってきた。

今年の春高バレーも次世代の日本代表を担うことが期待される逸材が勢揃い。新たなヒーローを探るべく、今大会男子の注目選手を現役日本代表選手による独自分析で紹介する。
石川祐希が見たNEXT候補・中上烈
2023年に開催されたワールドカップバレーで日本代表の絶対的エースとして、パリ五輪出場に導く活躍。

今や世界的プレイヤーとなった石川祐希(28)。今年の春高バレーにはそんな石川を思わせる若きアタッカーいるという。
洛南高校(京都)の2年生、中上烈(なかがみれつ)選手だ。

日本一に輝いた2019年以来の春高バレー出場を決めた洛南高校。そのチームで1年生からエースとして活躍するのがこの中上選手だ。
その強みを本人は自信満々に語る。

「今の一番の武器は高さとバックアタックです」
それもそのはず。身長190cmの中上選手の最高到達点は高校トップクラスの340cm。

この跳躍力と1年生から“絶対的エース”としてチームを引っ張る姿は、高校時代に史上初の高校6冠(2年連続でインターハイ、国体、春高バレーを制覇)を達成し、伝説を作った石川祐希と重なるものがある。
石川祐希が絶賛するパワーと将来性
中上選手のプレー映像を石川に見てもらい、ストロングポイントを聞いた。

「僕(の高校時代)はブロックを避けて打っていたりとか、ここまでパワーは無かったかなと思います。中上選手はしっかり強く叩いているし、ブロックに当てても飛ばしているので、彼はパワーがあるタイプだと思います」
さらに石川は中上選手の映像を見ながら、こんなテクニックにも注目する。

「3本くらいネットに近い球があったんですけど、ネットに近い球って結構ブロックされやすかったりもするんです。それをしっかりストレートに打ったりして、得点にしているところはすごい。近い球も離れた球も強く打つのは、なかなか難しいことなので、そういったところを見れば、将来性を感じますね」

そんな“ネクスト石川祐希”である中上選手に、自身の経験を重ねて石川がエールを送る。
石川祐希「代表や海外では高さが必要」
「日本でプレーするのであれば、今のままで全然問題ないと思いますけど、その先を考えて海外でプレーしたりとか、日本代表に入ってと考えると、やっぱり彼も身長が190cmと大きくないので、高さは必要かなと。高さは永遠に求め続けて欲しいと思います」

国際的には決して大きくない身長194cmで、世界のトップオブトップとしての高い評価を得ている、石川ならではの言葉だ。
石川からの直接アドバイスを中上選手に見せると、まずはそのサプライズにビックリ。そして笑顔で感想を。

「1回だけ石川祐希選手と会ったことがあるんですけど、直接自分のプレーを、自分だけのプレーを見てもらうことって、今までなかったですし、レベルが高いところでやっていくには、どうしたらいいのか言ってくださっていたので、すごく嬉しいです」
「ミスをせずに決め切れるエースに」
まだまだ磨けば光る、バレー界の原石。高校2年生の中上選手は春高バレーでさらなる活躍を誓う。
「3年生には、今まで2年間お世話になってきましたし、感謝の気持ちを持って、1戦1戦、自分が3年生を優勝させるっていう思いで勝っていきます」

「最後は絶対に自分に(ボールが)集まってくると思うので、その最後の最後でミス出さずに、絶対に決め切れるようなエースになりたいです。春高バレーでの目標は日本一です」
次世代の日本代表を担う逸材として、この大会で輝くヒーローは誰か。そして都道県予選から一度も負けることなく、全国2641校の頂点に立つのはどの高校か。

超満員の応援団からの歓声に包まれて繰り広げられる青春ドラマの開幕は1月4日(木)だ。
京都代表・洛南高校は1回戦で愛媛代表の新田高校と対戦する。
春の高校バレー
準決勝:1月7日(日)午後4時
決勝:8日(月・祝)午後1時50分
フジテレビ系にて放送