1月4日(木)に開幕する第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(以下、春高バレー)。
今年の春高バレーも、次世代の日本代表を担うことが期待される逸材が勢揃い。新たなヒーローを探るべく、今大会男子の注目選手を、現役日本代表選手による独自分析で紹介する。
関田誠大が見たNEXT候補・原亜久里
日本代表の司令塔としてアタッカー陣を変幻自在に操る「唯一無二のセッター」関田誠大(30)のネクスト候補。

星城高校(愛知)の3年生、原亜久里(はらあぐり)選手だ。

今から10年前の2014年。石川祐希を中心に伝説の6冠(2年連続でインターハイ、国体、春高バレーを制覇)を達成した星城高校。
そんな名門の”絶対的司令塔”としてチームをつかさどるのが、原選手だ。

その強みを本人は語る。
「自分のトスからの速いコンビバレーと、どこに上がるのか分からないトスが強みかなと」
関田誠大が評価する“トスの質”
偏りのないトスワークからアタッカー陣にボールを配給する技術は世代トップクラス。
身長は176cmと大きくないものの、変幻自在なトスワークでチームを引っ張る姿は、175cmの関田を彷彿させる。その原選手のプレーを映像で見た関田が感じたこととは。

「トスの質が良いのと、あとはサイドへのトスがちゃんと伸びているので、それはアタッカーが打ちやすいと思います。今の高校生たちはコンビバレーを中心にやっていますが、原選手はアタッカーに合わせるトスが上手だなと思います」

アタッカーが打ちやすいトス。“変幻自在のセッター”関田は、原選手が上げるトスの質に注目した。
「僕の高校時代より上手い」
「もう時代が違うんでね、(高校時代の自分と比較するのは)難しいですけど、僕の時より上手いんじゃないですか」

映像を通じて見ただけでも、その評価は高い。
今度は逆に高校生セッターの原選手に、昨年のワールドカップバレーでの関田のプレーについて印象を聞いてみた。

「関田選手のトスからテンポの速いバックアタックが日本の強みだなと自分は感じました。バックアタックは結構、動画とかを見て実践しています。

そこをお手本にして、今星城高校には3年生で小尻蓮斗(こじりれんと)っていう選手(ポジション:アウトサイドヒッター)がいるんですけど、それをベースにして速いバックアタックを使っています。」
「世代No.1セッターへ」春高での誓い
ワールドカップバレーで日本代表が見せた多彩な攻撃。
中でも速いバックアタックなど、高度なプレーが次世代の選手たちに与えたインパクトは、図り知れないほどの進化を高校バレーにもたらしている。

またテレビ中継だけでなく、動画を積極的に活用するのも時代に適応した今の世代の選手たちの特徴と言えるのかも知れない。
春高バレーで注目されるセッターになった現在を原選手はどのように感じているのだろう。

「自分が世代でナンバーワンという風になろうと思って今までプレーしてきたんですけど、実際今どうかって聞かれたら、自信をもって一番とは言えないと思います。この春高バレーを通じて一番だなと感じてもらえるようにプレーしたいです」
世代ナンバーワンのセッターへ。高度なトスワークから生み出されるコンビバレーに注目だ。

次世代の日本代表を担う逸材としてこの大会で輝くヒーローは誰か。そして都道府県予選から一度も負けることなく、全国2641校の頂点に立つのはどの高校か。
超満員の応援団からの歓声に包まれて繰り広げられる青春ドラマの開幕は1月4日(木)だ。
愛知代表・星城高校は1回戦で山口代表の高川学園と対戦する。
春の高校バレー
準決勝:1月7日(日)午後4時
決勝:8日(月・祝)1時50分
フジテレビ系にて放送