10.01エジプト戦、悪夢の敗戦から2日。
代々木競技場のコートには覚醒した14名の戦士が立っていた。
チームみんなで話し合い、あらためて目標を明確に、そしてシンプルにした。
パリへ行こう。
このコートに立てる喜び、感謝、誇りとともに。
男子日本代表がひとつになって戦い、勝利した、10.03チュニジア戦。
独自の写真とともに振り返る。
ワールドカップバレー2023 第3戦
FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023 日本対チュニジア(10月3日 東京・国立代々木競技場 第一体育館)
来夏のパリ五輪出場権獲得に挑む男子日本代表(世界ランキング5位・10月3日現在)は第3戦でチュニジア(同20位)と対戦。
日本は今大会、開幕から2戦連続でフルセットの苦闘となり、第2戦ではアフリカ王者のエジプトを相手に逆転負けを喫し1勝1敗。
上位2チームにパリ五輪出場権が与えられるなか、2戦終了時点で4位と苦しい状況にある。チームの中心っである髙橋藍も「もう勝っていくしかない」と強い口調で語っている。
残り5戦、まさにひとつも落とせない戦いが続くことになる。
対戦相手のチュニジアはアフリカ選手権 最多優勝を誇り、主力選手に2019年ワールドカップバレーで大会得点ランキング2位のハムザ ナガ(背番号10)を擁する。
他にも20歳の新鋭ウサマ ベンロンダネ(背番号8)も注意が必要な存在だ。ベンロンダネは、身長185㎝ながら最高到達点363㎝という驚異的なジャンプ力を誇り、個人の力で日本を切り崩してくる可能性を秘めている。
日本のスターティングメンバーは、キャプテン石川祐希(27)、西田有志(23)、小野寺太志(27)、関田誠大(29)、髙橋健太郎(28)、髙橋藍(22)、リベロは山本智大(28)が起用された。
第1セット 日本 25-14 チュニジア
第1セット、日本は序盤に今大会得点ランキング1位の40得点をマークする西田有志が豪快なアタックを決めると、直後に髙橋藍がショートサーブを使いサービスエースで得点。
さらに初スタメンの髙橋健太郎が相手エース・ナガのアタックを完璧なタイミングでブロックすると、キャプテン石川祐希も滞空時間の長いバックアタックで追加点。
負けられない戦いという緊張感の中でも笑顔を見せ、第1セットを25対14で先取した。
第2セット 日本 25-16 チュニジア
第1セットを25-14で先取した日本は第2セット、身長202cmの小野寺太志がクイックを決め先制すると、長身を生かした高さで相手の攻撃をブロック。
キャプテンでエースの石川祐希もチュニジアのエース・ナガのスパイクをブロックすると、すぐさまアタックでも追加点し、チーム全体の表情がほころんだ。
さらに中盤、初スタメンの髙橋健太郎がクイックを決め相手マークを集めると、今度は髙橋藍がサイドからアタック。打点の高い石川祐希のバックアタックも決まり第2セットを25対16で連取した。
第3セット 日本 25-15 チュニジア
日本にとって鬼門の第3セット。フィンランド戦、エジプト戦とここまで2戦連続で落とした重要な勝負所だ。
特にエジプト戦では第3セットを奪われた直後から試合の流れがガラリと変わり、手痛い1敗につながった「魔の第3セット」だ。
緊張の序盤、西田有志のサービスエースや髙橋藍のブロックでいきなり3連続ポイント。会場の声援を味方につける。
その後も石川祐希のバックアタック。リベロ・小川智大(27)のナイスレシーブ~関田誠大(29)の絶妙なトス~髙橋藍のアタック。
宮浦健人(24)の豪快なアタック。小野寺太志のブロックなど、日本代表がオールスターでコートを躍動し、ポイントを重ねていく。
なかでも初スタメンの髙橋健太郎はクイック、アタックに加え、終盤2連続でサービスエースを決めるなど、見事に自身の存在価値をアピールした。
結果、ひとつも負けられない状況でも終始伸び伸びとしたバレーを見せた日本が第3セットを25-15、セットカウント3-0で、このワールドカップ初のストレート勝利をおさめ、勝敗を2勝1敗とした。
今大会の男子日本代表はグループBに入り、世界ランキング2位のアメリカや、同7位のスロベ
ニア、さらには同9位のセルビアと同組。パリオリンピック出場権獲得のためには、出場8カ国の総当たり戦で、2位以内に入ることが条件となっている。
日本は4日(水)、トルコ(同15位)と対戦する。
FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
日本戦全戦をフジテレビ系独占中継!
男子大会:9月30日(土)-10月8日(日)
東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催