10月6日からウズベキスタン・タシケントで開幕する、2022世界柔道選手権。

結婚後に世界選手権デビューを果たすという前例のない選手がいる。

2020年に結婚した63キロ級の堀川恵(ほりかわめぐみ、26歳)だ。

紆余曲折の柔道人生

この記事の画像(5枚)

堀川の旧姓は津金。柔道は指導者だった父の影響で始めた。

2012年、高校2年生の時に国際大会・グランドスラムを史上最年少で優勝。

若い時代から将来を嘱望されていたが大学進学した頃、苦難の時期を迎える。減量と怪我に悩まされ、国内大会でも負けが続き、国際派遣メンバーに定着できずにいた。

大学4年の時に日本一決定戦、選抜体重別選手権でようやく初優勝を飾る。しかし、国内チャンピオンの座を手にするも、この年「世界選手権63キロ級の派遣なし」という屈辱を受ける。

その後、堀川は実業団チーム・パーク24へ進むと、柔道そのものが安定する。アグレッシブルな前進柔道はそのままに、時には待つこともできる大人の柔道が形成された。

転機は「結婚」ポジティブに

2020年、堀川は同じく柔道家の夫と結ばれる。

「(結婚して)名前も変えたので、変えたときは『辞めちゃったの?』ってめちゃ言われました。(夫は)優しくてとても努力家の方で、まあどっちかというと自分とは正反対なんじゃないかなという性格の方ですね。真面目で、どっちかというと静かで、周りにすごく気を使えるようなそういう男性です」

津金から堀川に姓を変えて心機一転した彼女にとって、夫の存在も大きいという。

「別に結婚がすごく大きな…影響を与えるかもしれないですけど、自分がやることをやっていれば結婚は何もマイナスなことじゃないんじゃないかなという、そういう気持ちで。良いきっかけになったのかなと思います」

結婚がきっかけ、とまではいかずとも、間違いなくポジティブな兆しとなった人生の節目。

すると、堀川自身の成績も次第に上向き、今年の選抜体重別選手権で優勝。

堀川は、初めて世界選手権の代表権を掴んだ。

「本当にオリンピックに一番近い立ち位置にいて、今まで大変だった分、それを全部この世界選手権にぶつけたいなっていう。絶対に悔いの残らない試合にしたいなというのがまず第一にある」

世界一を取るために欠かせない必殺技

世界一を取るための彼女の武器は「内股」だ。中学1年生で習得して以降、10年以上信頼し続けている。

堀川が所属するパーク24柔道部の園田隆二女子監督も「バネもありますし、体も柔らかいので、どっちかと言ったら“剛”というよりも、柔道の“柔”というような、しなやかさだったり技のキレだったりというのは、良いものを持っていると思います」と太鼓判を押す。

堀川は「内股がベースになって、逆にそれを試合のテクニックとして使うというか、フェイントになるというか。でも最終的に軸となる“内股”は変わらないので。投げて勝つという柔道をしっかり目指して。自分が欲しいメダル、金メダルを取れるよう頑張ります」と意気込んだ。

必殺・内股を引っ提げて堀川は、念願の世界デビューを果たす。目指すのは、“世界一の妻”だ。

2022世界柔道選手権
10/6開幕!
フジテレビ系列で8夜連続中継!
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/index.html

S-PARK
S-PARK

スポーツニュース番組「スパーク」!皆様の「ナゼ?」にお答えするためキャスターが現場を奔走!本格派で楽しいスポーツ情報満載の「スポーツ・パーク」です!
フジテレビスポーツ局が制作する週末のスポーツニュース番組。毎週日曜よる11時15分、土曜は深夜0時35分から放送中!
メインキャスター:佐久間みなみ/中村光宏/黒瀬翔生
フィールドキャスター:松﨑涼佳
※放送時間は変更される場合があります