10月6日からウズベキスタン・タシケントで開幕する、2022世界柔道選手権。

世界の強豪が集う男子81kg級で五輪王者の証・金色のゼッケンをつけた日本人が畳に上がる。

男子81キロ級に出場する永瀬貴規(ながせたかのり・28)だ。

怪我を乗り超え悲願の金メダル

「上手くいかない時期の方が本当に多くて。すごく重圧というかプレッシャーとも戦いましたし、その中でそれを乗り越えての東京五輪ですし、やっぱり投げが決まった瞬間は、自然と『ヨッシャー!』みたいな、そういった声が出ました」

2021年の東京五輪での道のりと興奮をこう振り返る永瀬。

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リオデジャネイロ五輪では銅メダル、翌2017年の世界選手権では右膝靱帯を損傷する大怪我を負う。選手生命さえ危ぶまれるほどの危機的状況だった。

それでも永瀬は、懸命にリハビリを続ける。

しかし、再び畳に戻る頃には日本のライバルたちが、永瀬のいない世界選手権の大舞台でしのぎを削っていた。

それでも腐ることなく国際大会でコツコツと勝利を重ね、五輪代表争いに競り勝つ。

永瀬の強さは「最後まで粘り強い柔道」

2度目の挑戦となった東京五輪では、延長戦だらけのタフなトーナメントを耐え抜き、81キロ級で21年ぶりとなる金メダルを日本にもたらした。

「畳を降りる際には、ちょっと涙が出る瞬間もあって。それだけこの五輪にかけてきましたし、東京五輪にかけていましたし、いろんな挫折を乗り越えてのあの優勝だったので、今までにない、すごい感情にさせてもらいました」

どんな障害にも決して挫けず、たどり着いた頂点。まさにそれは自らの柔道スタイルそのものだと永瀬は言う。

「苦しい戦いの中でも気持ちで折れずに、最後まで粘り強い柔道が私の強さです」

「一手先を読む力」が唯一無二の武器

粘り強く戦い、相手に競り勝つ柔道は、例えるならば“将棋の達人“のようだと、男子日本代表・小野卓志コーチも舌を巻く。

「組んでいるうちに『こうされているから、こうしよう、こうしよう』といったそれも(永瀬に)読まれた上で次の一手を打たれていて。

特に組み手の部分に関しては、組み手って結構心理戦な部分があるんですけど、『あっ、意外に持てるじゃん』と思ったのが、もう永瀬においては戦略であって。1つそこで持ったら、さらに上をいって引き手をもう落とされているとか。本当に将棋で詰められていって『王手』と言われているような負け方をするんですよ」

「一手先を読む力」こそが、永瀬が持つ唯一無二の武器なのだ。

それが生かされる部分があると永瀬本人はいう。

「人それぞれ選手にとって、好きな間合いと嫌な間合いというのは必ずあると思うので、相手にとって嫌な間合い、自分は技をかけられるけど、相手がかけづらい距離は強く意識しています」

相手の出方を封じ、自分優位の間合いを維持する。そして誘い込むように決めの一手が、まさに永瀬が畳の上でする“詰め将棋”なのだ。

「試合の中でもたくさんチャンスがあるわけじゃないので、そのワンチャンス、ツーチャンスというのをいかにものにできるか。そこで本当に最後の大事な場面で勝つか負けるかが決まってくると思う」

必殺の間合いに引きずり込めば、世界のライバルは、「参りました」と言うしかない。

五輪王者として臨む初めての世界選手権で、永瀬は圧倒的な勝利を誓う。

「東京五輪が終わってからパリ五輪まで3年という1年短くなった分、今年の世界選手権の重みというのは、例年よりすごく大切な重要な大会だと思っているので、この大会に勝つことがパリ五輪に大きく近づくと、私は思っています。 

連覇という、1回東京までの気持ちとまた別の気持ちで、本当に挑戦というか、2連覇に挑む気持ちになっているので。五輪王者の自覚は持っていますし、強い永瀬貴規を見せなければいけない」

2022世界柔道選手権
10/6開幕!
フジテレビ系列で8夜連続中継!
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/index.html

記事 258 S-PARK

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