待ちに待ったプロ野球が25日に開幕した。きょう27日プロ3年目のスタートを切るのはオープン戦で160キロ台を連発、万全の仕上がりを見せるロッテ3年目の佐々木朗希、20歳。今季覚醒の予感が漂う右腕、そのボールの握りにストレートの極意があった。

160キロ連発!米メディアも注目

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まさに規格外だ。プロ3年目の開幕を控える中、衝撃的な投球を続けている佐々木朗希。5日のソフトバンクとのオープン戦では高校時代にマークした自己最速タイの163キロを計測した。ストレートは36球中、実に7割近くが160キロ超、実戦4試合で25奪三振と手が付けられないモードに突入している。

ワクワクせずにはいられない佐々木の投球、その期待感はアメリカメディアも同じ。現地スポーツ紙のH.ディヴィッド記者も「これは始まりにすぎないと思います。彼はまだ20歳ですし、さらに強くなって成長するでしょう。彼はまさに“令和の怪物”ですね」と興奮を抑えきれない様子だ。

「プロ野球スピリッツA」風に深掘り

日本のみならず世界も注目する佐々木朗希にフジテレビ「S-PARK」は開幕前に独占インタビューを行った。ゲームが大好きだという佐々木にコナミの人気ゲームソフト『プロ野球スピリッツA』のデータを用意。まずは、昨季の球種データについて聞いた。

ゲームのデータは昨季、ストレートは「C」、フォークは「C」、高速スライダーは「C」、カーブは「D」、サークルチェンジは「E」、球威「B」、制球「C」、スタミナ「C」の評価。

佐々木は球威「B」の厳しい査定に「球威はもうちょいあってもいいんじゃないですかね(笑)…」と少しだけ納得いかない様子。ならば球威と変化量、今季の目標の値をフリップに書きこんでもらった。果たして“令和の怪物”が今季進化を求めるものとは?

目標値はストレート「S」

佐々木が目標値として記入したのはストレート「S」、フォーク「A」、高速スライダー「C」、カーブ「D」、サークルチェンジ「E」。

昨季と比べ佐々木がレベルアップを掲げたのは、やはりストレートで、球威は最高評価の「S」に設定した。160キロ台を連発している球界屈指のストレートはオープン戦でもライバルたちを苦しめている中、現段階で本人はこう評価する。

「やっぱり一番の武器だと思うので…ストレートがあっての変化球だと思うので、そこは磨き続けていきたいなと思ってSにしました。オフのトレーニングの成果が出ているのかなと思いますし、フォームも安定しているおかげで腕がしっかり振れるようになったので、もちろん球速もそうですし、自分から見たボールの軌道も去年より良くなっているなと思います」

ボールの握りに特徴

そんな佐々木のストレートには、実は大きな特徴が「手元」にあるという。実際に佐々木にストレートの握りを見せてもらうと、人差し指と中指をくっつけている。その理由について佐々木はこう明かす。

「小さい頃からの癖でもあるんですけど、こっちの方がボールに力は伝わると思っています」

リトルリーグ時代からストレートを投げるとき、人差し指と中指をくっつけているという佐々木。もちろんプロに入ってからもそのスタイルを貫いているが、昨季パ・リーグMVPオリックスの山本由伸(23)の手元を見てみると、人差し指と中指は離れている。ストレートを投げるとき、一般的に離す人差し指と中指をあえてくっつけている意図を佐々木はこう話す。

「この方が回転とかうまく力が伝わるのかなと思って。コントロールしにくいと言われますが、僕はそんなに感じないので。ただ、うまく力を伝えないと指を開いている時よりシュート回転が出やすかったりしますが、その分強いボールを投げられているのかなと思っています」

人さし指と中指をくっつけて投げることで、制球しづらい反面、よりボールにスピンがかかり球速やキレがアップするという。最強のストレートを投げられる理由はボールの握り方にあった。

野球解説者の谷繁元信氏(51)によると「投手によるが、少し指を空けて投げる方がボールをリリースする時に力が分散する。人差し指の方にちょっと力が入りやすくなる。指をくっつけると両方の指に均等に力が入る。(佐々木投手は)1点に力がかけやすいのだと思う」と分析する。

160キロ&変化球で2022は覚醒へ

今季、目標とする球種データを披露してくれたロッテの佐々木朗希、変化球にも注目すると本人こだわりのボールが。変化球では決め球フォークを「C」から「A」に球威アップ、そしてカーブは「D」のままながらも変化量アップを掲げた。カーブへの意識を佐々木はこう話す。

「一番は緩急。大きい変化球が欲しいなと思っていいたので、スライダーが横に大きく曲がらないので、とりあえずカーブでカバーしようと思っています」

最強のストレートに加え、落差の大きなカーブ。剛速球と変化球の2つを投げ分け、さらなる進化を求める佐々木に最後に今季の目標を聞いた。

「20試合以上先発で投げて、半分くらい勝てるように頑張りたいと思います」

谷繁氏ズバリ!15勝5敗

野球解説者の谷繁元信氏も「登板間隔を去年より縮めてくると思うので15勝5敗はいける。登板間隔を縮めてイニング数を増やせれば十分にクリアできる数字だと思う」と太鼓判。2022年シーズン、“令和の怪物”の覚醒を予測した。

さらにオープン戦でこれまで2度抑えられた“鷹の怪物”柳田悠岐(33)もこんな言葉を残した。

「ヤバいっす!デンジャラス!どこまで規格外のピッチャーになるのか」

こう称賛しつつも、怪物から見た怪物対策を尋ねると「対策…なんやろ。キレをMAX出して筋力を上げて無駄な動きを省いて当てる。当てて飛ばすだけです」と力と力の勝負になることを見据えていた。

きょう27日に先発、プロ3年目のスタートを切る佐々木。名だたる強打者たちを相手にどんな名勝負を見せてくれるのだろうか。

「S-PARK」
3月27日(日)23時15分から放送
プロ野球開幕!藤川球児が佐々木朗希&大谷翔平を火の玉解説