10日に史上最年少完全試合を達成したロッテの佐々木朗希(20)が17日、日本ハム戦で8回まで走者を1人も出さない完全投球を見せた。球数が102球に達した8回で交代となり史上初の2試合連続完全試合はならなかったが、17イニング連続無安打のプロ野球記録を継続している。

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その佐々木の2試合完全投球を支えたのは高卒ルーキーの捕手・松川虎生(18)だ。同じく捕手出身の谷繁元信さん(51)が試合直後に松川にインタビュー取材、配球の真相に迫った。

谷繁直撃!怪物をリードする高卒新人

佐々木は初回から163キロをマーク。2回までに4者連続三振を奪う圧巻の投球で、日本人最長タイとなる25イニング連続奪三振を記録した。絶好調に見える投球でも時折、佐々木が松川のサインに首を振るシーンが谷繁さんの目に留まった。

ーー前回より佐々木がサインに首を振るシーンが多かったと思います。佐々木の今日の状態は?

「前回よりもブルペンでも調子があまり良くなかったのですが、回をまたぐにつれなんとか修正して良くなっていったので、そこは頭に入れながら配球していました」

前回よりも佐々木の状態が良くないと見た松川は、2人で配球を試行錯誤しながら回を重ねるごとに修正していったことを明かしてくれた。

谷繁のスコアブック

3回に奪三振記録はストップしたものの、160キロ超の直球と150キロに迫るフォークを武器に快投を続けた佐々木。この試合の中で谷繁さんが着目したのは6回表、浅間大基(25)に対して初めてフルカウントとなった場面だった。試合中にスコアブックをつけていた谷繁さんは最後の配球は直球と予想。松川が選んだのも直球だった。

ーーフルカウントになった時に何を考えた?

「フォークで行こうと思ったんですけど、3球目外角低めのきわどいボールを見逃されたので、最後は何とかインコース真っ直ぐを低めに制球しようと思ってサインを出しました」

ーー松川選手はストレートのサインを出した?

「はい、そうですね」

ーー今日も完全試合が継続中で四球よりは打たれた方がいいと腹をくくった配球だったのでは?

「四球は頭に浮かんだので何とかインコース真っ直ぐで力で押し切ろうと考えました」

ーーお互いに意思の疎通ができたということ?

「はい、そうですね」

完全試合が継続中、フォークでの四球が松川の頭に浮かんだ中、バッテリーが選んだのは直球勝負。力のある162キロの真っ直ぐに浅間のバットが空を切った。

102球14奪三振の完全投球で8回降板

互いに意思疎通しながら完全投球で8回までスコアボードに「0」を並べ続けたが、打線の援護がない中、井口監督は投手交代を決断した。

ーー8回の降板について話したことは?

「特に話はしていないですし、そこはチームの方針だと思います」

チームの方針に佐々木も「途中、疲れていた部分もあったので、その中での首脳陣の判断なので納得する形で降板しました」と試合後に話した。

「反省点はインコースの要求」

前回登板から2試合17イニングをパーフェクトに抑えた佐々木&松川バッテリー。それでも18歳はまだまだ高みを求める。

ーー今日の反省点は

「ボールが先行して、カウントが悪くなった部分があった中で、インコースの要求がまだまだ足りなかったり、フォークで空振りを取れる部分もあったと思うので、そういったところが反省点です」

1週間ごとに成長する18歳

ーーキャッチングなど捕手として1週間ごとに成長を感じますが、課題を持ってやっていることは?

「映像をしっかり見返す中で変化球のボールをミットに入れるスピードだったり、構え方はすごく見て勉強しているので、そこは何とか試合につなげることができているのかなと思います」

ーーすごいね、1年目でしょ?俺そんなこと考えたことなかったから1年目に(笑)

「はい…(照れ笑)」

途中交代を決めたベンチの意図

松川に取材した谷繁さんに、この試合のポイントを改めて解説してもらった。史上初の2試合連続完全試合に期待が高まる中、両チーム無得点で最終回へ。井口資仁監督は8回102球(14奪三振)で投手の交代を審判に告げた。球場もどよめいたまさかの降板、谷繁さんの目にはどのように映ったのか。

「佐々木朗希を育成継続中、そういうことだと思うんですね。昨年から登板間隔や球数制限など、体作りに合わせた育成をしてきていますよね。この場面でも育成中というところを捉えて監督は決断したと思うんですね。今後もこういう起用になると思います。100球めどでケガさせずに1年間投げさせる、佐々木朗希の1年というものを考えた決断だったと思います」

佐々木朗希「異例のローテ」

井口監督も試合後、降板のタイミングについて「素晴らしい投球で、できれば我々も最後まで見ていたかったが、先々を考えるとあそこが今日は限界だったと思う」と説明した。今季は中6日でのフル回転が期待されるが、体はまだ発展途上。疲労や故障を防ぐためにも井口監督は1カ月ごとに1回ローテーションを抹消することも明かしており、谷繁さんも理解を示す。

「ロッテの首脳陣が故障が起きた後ではなくて、起きる前にしっかり対処しているということだと思います。本人も納得して降板していますから、首脳陣ともしっかりコミュニケーションとれていますね」

ここがスゴい「全くブレない考え方」

最後に谷繁さんに佐々木&松川の若きバッテリーのスゴさを改めて解説してもらった。

全くブレない考え方がいいですね。自分の持っているもの、できることをとにかくやり続けようとしていますね。今日は佐々木の状態が良くなかったんですよ。でも、違う組み立てに走るのではなくて、自分の持ち味の中で修正していく、1球1球修正が常にできる能力がものすごくある選手ですよね」

初回、初球の直球が低めに外れるも2球目は157キロをきっちりストライクゾーンに。5回にも先頭打者への初球が外に外れるが、2球目をしっかり外角低めのストライクゾーンに投げ入れた。

「今日は左打者への直球がシュート回転するボールが多かったのですが、その修正を図っていました。松川も『もっとインコースを要求した方がよかった』と言っていましたし、佐々木も途中で首を振って自分でインコースを要求しているんですよ。自分たちで修正できていますね」

新庄BIGBOSS「野球って面白い」

修正を重ね進化を続ける若きバッテリー。対戦した新庄BIGBOSSは試合後にこんな言葉を残した。

「野球って面白いね。完璧に抑えられてて佐々木君が代わってスタンドの雰囲気も変わって『あ~っ』ってなったところで点が取れるってね。ベンチにいて野球って面白いスポーツだなと思いました。(8回降板に)あと1回見たかった。試合前は『セーフティーバントとか色々揺さぶる』とは言ったけど、ああいう投球を見たらセコイことというか、そういう風にはならなかった。『堂々と打ちにいきなさい』という風にさせてくれた投手でした

次回オリックス戦登板へ

佐々木朗希はローテーション通りいけば次回は今週24日(日)に京セラドームでオリックス戦に登板予定で、松川のリードで完全投球イニングがどこまで続くのか注目が集まる。フジテレビ日曜「S-PARK」では、佐々木朗希の登板の際にはどこよりも詳しく深掘りする。

「S-PARK」佐々木朗希をどこよりも詳しく!
4月24日(日)23時15分から24時30分
フジテレビ系列で放送

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