日々の暮らしの中で、ふと疑問に思うことはないだろうか。「この面は『表』か『裏』か…どっちなんだ?」
「タオルの表裏、どっちで拭く?」という素朴な疑問が視聴者から寄せられた。多くの人が「当然、模様や刺しゅうがある方でしょ!」と考え、当然のようにその面で顔や体を拭いているかもしれない。しかし、その“常識”は本当に正しいのだろうか。白黒つけるべく、取材を開始した。
まずはタオルの専門家に見解を
取材班が向かったのは、県内でオリジナルタオルの製造・販売を手がける「ウィングコーポレーション」。平成元年創業で、国内外100ブランドほどのタオルを扱っている。
話を聞いたのは「タオルソムリエ」の肩書をもつ販売部の飛田哲郎さんだ。
さっそく、核心に迫る質問を投げかける。
「タオルに『表』と『裏』って、あるんですか?」

飛田さんは「はい、あります!」ときっぱり。
結論!拭くべきは「裏面」だった
飛田さんによると、タオルには一般的な家庭用のものと、印刷用の生地があるという。印刷する場合は「表面」に施す。では、その表と裏の違いとは一体何なのだろうか。
「印刷用のタオルは、印刷がキレイに映えるよう表面の毛は短くできています。裏面は、吸水性など実用性をあげるために、糸がループ状のパイル地(長毛)になっております」
そして飛田さんはこう続けた。
「ですので、実用性が高い、裏面で拭くことをおすすめしています」
ずっと裏面で拭いていた…という方も多いのではないだろうか。
デザインか、実用性か
とはいえ、ラックにタオルを掛ける時、かわいいイラストやキャラクターが描かれた面を見えるようにしたい、と思うもの。

タオルソムリエである飛田さん自身はというと―
「私は、裏面を表に見えるように引っ掛けています」
それが“推し”が描かれたタオルだったらなおのことだ。「その場合も、汚したくないので裏面で拭くようにしています」と、飛田さん。
プロでも間違える?表裏の見分け方
では、印刷されていない無地のタオルはどう見分ければ良いのか。
飛田さんがポイントとして教えてくれたのは、タオルの短辺部分にある「ヘム」と呼ばれる部分。ミシンの折り返しがある方が、通常は裏面になる。
しかし、中には「ヘム」に折り返しがなく、プロでも見分けるのが難しい「職人泣かせなタオル」も存在するそうだ。

実際に印刷面を間違えてしまったことが「お恥ずかしながら、あります。やっちまったって感じですね、怒られます」と飛田さんは苦笑した。
ソムリエ直伝!タオルをフワフワに保つ豆知識
結論として、タオルに「表裏」は存在し、拭くときは吸水性の高い毛足の長い面(裏面)を使うのが良い、ということが判明した。
さらに飛田さんは、家庭で使える豆知識も教えてくれた。
「タオルは必ず、毛の流れがありますので、毛の流れに逆らって干すと、毛が起きるのでフワフワした状態で乾いてくれて、使い心地もよくなります」
つまり、毛が流れている方を上にして干すと、フワフワに仕上がるというわけだ。
何気なく使っているタオルも、その性質を知ることでより使い心地がアップする。ぜひ今日から実践してみて欲しい。
