食卓を彩り、私たちの健康を支える四季折々の野菜と果物。せっかくなら、おいしく上手に食べたいもの。野菜と果物を知り尽くした“野菜ソムリエ上級プロ”の堀基子さんが、おいしさと栄養を余すところなく引き出す方法をお伝えします。

文・写真=堀基子

タンパク質といえばアスリートに欠かせない栄養素?いえいえ、成長期の子どもから高齢者まで、あらゆる世代にとって重要な栄養素です。

タンパク質は、筋肉、臓器、皮膚といった全身のさまざまな組織や、ホルモン、神経伝達物質などをつくる材料となるため、不足すると自分自身の筋肉内のタンパク質を使わざるを得なくなり、筋肉量や筋力の低下につながってしまいます。

焼きソラマメ。実はタンパク質を含む野菜
焼きソラマメ。実はタンパク質を含む野菜
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特に近年、加齢による筋肉量の減少、筋力の低下を意味するサルコペニアは、心身が老いて衰えるフレイルの引金ともなるため、シニア世代こそタンパク質を意識して摂取すべきだといわれています。

タンパク質を含む野菜たち

タンパク質というと、肉、魚、卵、乳製品といった動物性のものを思い浮かべがちですが、植物性タンパク質が豊富な野菜や食材もたくさんあります。

100gあたりのタンパク質含有量が多い野菜の上位には、枝豆11.7g、空豆10.5g、にんにく6.4g、芽キャベツ5.7g、モロヘイヤ4.8g、ブロッコリー4.3gが入っています。

にんにく丸ごとホイル焼き
にんにく丸ごとホイル焼き

特にブロッコリーは一度に量を食べやすく、アスリートやダイエッターの御用達になっています。一方、動物性の食材に含まれるタンパク質は、肉・魚は100gあたり20~25g程度、卵1個で6g、乳製品100gあたりではプロセスチーズ22.7g、プレーンヨーグルト3.6g、牛乳3.3gとなっています。