食卓を彩り、私たちの健康を支える四季折々の野菜と果物。せっかくなら、おいしく上手に食べたいもの。野菜と果物を知り尽くした“野菜ソムリエ上級プロ”で“果物ソムリエ”の堀基子さんが、おいしさと栄養を余すところなく引き出す方法をお伝えします。
文・写真=堀基子

部位ごとの味の特徴

寒さがつのるほど、おいしさを増す冬野菜。その筆頭といえば、おでんや煮物に欠かせない大根ではないでしょうか。とはいえ、少人数のご家庭や一人暮らしで、ずっしり重い大きな大根1本を使い切るのは至難の業。

そこで今回は大根をまるごと1本使い切るための知識とアイデアをご紹介します。

大根は部位によって味わいが異なる
大根は部位によって味わいが異なる
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まず、大根は部位によって味わいが異なりますので、用途によって使い分けましょう。葉に近い上部は水分が多めで、辛みが少なく、甘みがあるので、サラダや大根おろしなど生食に適しています。

中央部分は甘みと辛みのバランスがよく、加熱すると甘みがより一層増すので、煮物やおでんにぴったりです。

先端部は水分が少なく、辛みが強いため、日本そばの薬味の大根おろしになどに向いています。

皮のきんぴらと葉っぱのふりかけ

むいた大根の皮ももちろんフル活用します。

繊維を断つように千切りにして油で炒め、醤油、みりん、七味唐辛子で味を調えれば、きんぴらに。たっぷり作って、冷凍保存しておけば、お弁当にも便利です。

大根の葉はベータカロテン、カルシウム、ビタミンCなどが豊富な立派な緑黄色野菜ですので、葉付きの場合は捨てずに活用しましょう。

刻んで塩もみして炊き上がった白ご飯に混ぜ込めば菜飯が楽しめますし、いちょう切りにした大根と一緒に浅漬けにしたり、みそ汁の具にしても美味です。

私はたくさん入手したときは、洗って細かく刻み、油で炒めて醤油とみりんで味を調え、仕上げに白ごまとかつお節をたっぷりふり混ぜて自家製ふりかけを作り、小分けして冷凍保存しています。炊き上がったご飯に混ぜたり、おにぎりにすると、そのおいしさに驚かれると思います。

葉は水耕栽培もできる!

葉付きの大根は、葉がどんどん根の栄養を吸収してしまうので、購入後はできるだけ早く葉を切り落とします。