食卓を彩り、私たちの健康を支える四季折々の野菜と果物。せっかくなら、おいしく上手に食べたいもの。野菜と果物を知り尽くした“野菜ソムリエ上級プロ”で“果物ソムリエ”の堀基子さんが、おいしさと栄養を余すところなく引き出す方法をお伝えします。
文・写真=堀基子

知ってる?追熟する・しない果物

フルーツの食べごろって意外と難しくありませんか?買ってきた直後でもおいしいものもあれば、自宅で追熟した方がおいしくなるものもあります。そこで今回は、果物の食べごろの見極め方をご紹介します。

まず知っておいていただきたいのが、その果物は追熟するのか、しないのかです。

いちごは追熟しないので購入後は早く食べましょう
いちごは追熟しないので購入後は早く食べましょう
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追熟とは、収穫後に果物を熟させることを意味します。完熟した状態で収穫すると、店頭に並ぶ頃には熟し過ぎてしまうため、多くの果物は完熟前に収穫して、店頭に並ぶまでの間に追熟させます。

すると、果肉が柔らかくなり、フルーツ特有の香りも増します。自宅でさらに追熟させるときは、室温で行います。

追熟する果物は、洋梨、キウイ、桃、アボカド、バナナ、メロン、マンゴー、温州みかんなどです。追熟しない果物は、りんご、梨、いちご、ぶどう、スイカ、パイナップルなどで、これらは買ってきた直後でもおいしいフルーツといえます。

エチレンガスが追熟に影響

追熟は、野菜や果物が自らの熟成を促すために分泌する、植物ホルモンの一種であるエチレンガスによって進みます。