福岡県の山の麓で、農作物被害対策として設置している箱ワナの扉を、故意に閉める妨害行為が相次いでいる。
地元自治体からの委託を受け箱ワナを設置した猟友会は、動物の駆除に批判的な人物によるものとみて警察に相談している。
駆除に批判的な人物による妨害か
福岡県で11月末、野生動物を駆除する目的で置かれた箱ワナに近づく短パン姿の人物。次の瞬間、ワナを蹴り付けた。
この行為により、ワナは獲物がいないままドアの部分が落ち、閉まってしまった。
この不審な人物はその後、ライトを照らしてカメラの方を振り返ると、来た道を引き返していった。

現場はイノシシやシカによる、農作物の被害が深刻化しているという福岡県のとある山の麓。箱ワナは、地元自治体が駆除のために、猟友会に委託し設置されたものだ。
イノシシなどを捕獲できないように、ワナの扉を故意に閉じたとみられる迷惑行為。取材に応じた猟友会のメンバーは、その意図についてこう推測する。

猟友会のメンバー:
僕らも実際、駆除という名目で動物の命を頂くことになっているので、やはり行為に関して批判的な方であったり、ご理解を頂けない方からの行為ではないかなと感じています。

こうした行為について猟友会は、「狩猟免許がない人物による違法な箱ワナ設置の見回りをするほか、問題ある行為に対し口頭で注意を促す立場」でもあるという。
猟友会「動物駆除の目的を理解してほしい」
ワナによる狩猟を妨害する行為は今回が初めてではなく、これまで何度も繰り返されてきた。
2024年3月に撮影された動画では、1人の男性が箱ワナに近づくと、左手で扉の留め具をゴソゴソしている。男性は箱ワナの扉が閉まると同時に、その場から立ち去った。

猟友会から相談を受けた警察は、この男性に警告したという。

また、2024年4月には、別の場所に設置した箱ワナに別の男性が接近。男性は周囲を見回しながら箱ワナに歩み寄ると、手慣れた様子で留め具を外して扉を閉め、その場から立ち去った。
警察は、この男性に対しても警告したという。

さらに2025年8月には、箱ワナの扉そのものが盗まれる事案が相次いで発生した。猟友会のメンバーは、動物駆除の目的を理解してほしいと訴える。
猟友会のメンバー:
僕らも実際動物を殺さずに頭数管理出来ればそれに越したことはないかもしれないけど、それは今の日本の生態系上無理なので駆除している。
そこをご理解していただきたいなというのはあります。

今回新たに撮影された行為についても、猟友会は警察に相談し対応を進めていきたいとしている。
(「イット!」12月3日放送より)
