日本初の女性総理となった高市早苗氏。就任直後のFNN合同世論調査では内閣支持率が75.4%、特に18歳から20代の支持率は89.1%と驚異的な数字を記録。身につけるものが売れる「さなえ売れ」という現象も起きている。
11月9日放送の福井テレビの報道番組「タイムリーふくい」に、高市総理の義理の息子で福井県議会議員の山本建さんを迎え、政治ジャーナリストの橋詰武宏さんとともに、その原動力を探った。
8割に迫る支持率の背景
保守的な政治姿勢に加え、発言が分かりやすいといわれる高市総理。外交デビューも笑顔でこなした。
山本氏は「総理の笑顔は、政治の原点である松下政経塾で松下幸之助さんからの『笑顔を絶やさない』『誰にでもしっかり礼儀を尽くす』という教えを守っている」と話す。
政治ジャーナリストの橋詰氏も「国会答弁を見ていると『できないこと』と『やります』が分かりやすい。オンとオフがはっきりしている。賛成反対はあるだろうが、分かりやすいという印象で空気感が変わった」とする。
また「明るいブルーの服を着ているのも非常に新鮮で、特に若い人たちにソフトな清潔感を与えているのでは」と分析した。
「頑張れ」と逆エールも。家族だけが知る総理の素顔
総裁選挙に当選した直後に「総裁就任おめでとう」とメッセージを送ったという山本氏。返事にには「ありがとう」だけではなく「建も頑張れ」と逆エールが添えられていたという。
さらに、姉と妹と3人の連名で総理就任のお祝いの花を贈った際には、電話で「しっかりと官邸に運ぶから」と「ちょっとかっこいいことを言っていた」と山本氏。
贈ったのは「高市総理のイメージカラーのブルーに、私の父が現役時代に使っていた黄色を組み合わせた花」だという。
義理の母を「高市さん」と呼んでいる一方、高市総理は山本さんのことを「一貫して『建』と呼び捨て」だというが、優しく接してくれていると笑顔を見せた。
総理就任については「身内が総理大臣医なったということよりも、前回、前々回と悔しい思いをしている姿を見ていたので、3回目のチャレンジで結果が出て良かった。周囲からも『涙が出た』という温かいお祝いの言葉をたくさんいただいた」と振り返った。
「自分の政治信条を売り込む」高市総理からの教え
山本さんの父親で元衆議院議員の拓さんは、2004年に高市さんと再婚。その後、2017年に一度離婚したが、2021年に再び婚姻届を提出している。

義理の母親である高市さんに初めて会った時の印象について山本氏は「大学生の頃に初めて紹介された。当時、高市さんは落選中で国会議員ではなかったこともあり、一人の女性として新しいパートナーが決まったんだな、という風に受け止めていた」と語る。
心に残るエピソードを問われると「鯖江の家に一緒にいる時に『近くの公民館で講演することになったから、建、乗せてって』と言われて車で送って行った。家の中の高市さんしか知らないものだから講演を少し覗いてみたら『こんな真面目な人だったんだ』とびっくりしたのと同時に、オンとオフがしっかりできているなと感じた」という。
関西(奈良県)の出身ということもあり「思ったことをはっきり突っ込むように言ってくることもある。向こうが気を使わないので、こっちも気を使わなくていい。そういう距離感の近さを素で持っている人」だという。
現在、県議2期目の山本さんが初出馬した際は、後援会の集まりに駆けつけてくれたという高市総理。「選挙は対抗馬の悪口を言うのではなく、自分のやりたいこと、政治信条をしっかりと伝えて“自分を売る”のが大事」とアドバイスを受けた。山本さんは「そこは今でもしっかり守っている」という。
元国会議員の夫“内助の功”
総裁に就任した際には「ワークライフバランスを捨てる」という発言が物議を醸したが、これについて山本氏は「総理自身が、自分を犠牲にしてでも国民のために、この国に尽くすという決意の表れだと純粋に思った」という。
公明党が26年続いた連立から離脱し、新たに日本維新の会と1週間足らずで連立合意に至るなど、大きな出来事が続いた。
政治ジャーナリストの橋詰氏は「山本拓さんの“内助の功”もあると思う。拓さんはじっとしているタイプではないだろうから、家庭で妻の早苗さんに『こうしろ、ああしろ』『今が決断の時だ』とアドバイスをしていると思うので、良い意味で支えになっているのでは」と指摘。

山本氏は「政策的な話はしないということだが、父もアドバイスできることはすると言っていた。ただ『総裁選挙は自分の戦いだから』と言っていたのが心に残っていると言っていたので、うまく連携が取れているのでは」と語った。
少数与党の舵取りと維新との合意
「一匹狼」などと評される高市総理について山本氏は「一匹狼で仲間がいない、という評価をよく耳にするが、私は全然違うと思う。コミュニケーション能力はピカイチに高い。飲み会が苦手ということもあり、そういう評価につながっているのかも。今回の総裁選挙で多くの地方議員や党員が応援してくれたのも、全国を回って直接話をし共感を得たからで、仲間作りはうまいと思っている」とする。
高市総理の今後について橋詰氏は「議員定数の削減は進めてほしい。人口も有権者も減っていく中で、国会議員の定数についての議論はすべき。小選挙区で落ちても比例で復活当選するなど、分かりにくい選挙制度も変えていく必要が出てきている」と指摘。
山本氏は「日本を導く決意を持って総理に就任しているので、国民が期待する“高市カラー”で最後までブレずに国民の高い支持に応え続けてもらいたい」とエールを送った。
