野生動物を駆除する目的で置かれた箱ワナに近づく短パン姿の人物。
次の瞬間、ワナを蹴りつけました。
この行為により、ワナは獲物がいないままドアの部分が落ち、閉まってしまいました。
この不審な人物はその後、ライトを照らしてカメラの方を振り返ると、来た道を引き返していきました。
現場は、イノシシやシカによる農作物の被害が深刻化しているという福岡県のとある山のふもと。
箱ワナは地元自治体が駆除のために猟友会に委託し設置されました。
イノシシなどを捕獲できないようにワナの扉を故意に閉じたとみられる迷惑行為。
取材に応じた猟友会のメンバーは、その意図についてこう推測します。
猟友会のメンバー:
僕らも実際、駆除という名目で動物の命をいただくことになっているので、やはり行為に関して批判的な方であったり、ご理解をいただけない方からの行為ではないかなと僕らは感じています。
こうした行為について猟友会は、狩猟免許がない人物による違法な箱ワナ設置の見回りをするほか、問題ある行為に対し口頭で注意を促す立場でもあるといいます。
ワナによる狩猟を妨害する行為は今回が初めてではなく、これまで何度も繰り返されてきました。
2024年3月に撮影された動画では、画面左から現れた男性が箱ワナに近づくと左手で扉の留め具をごそごそ。
箱ワナの扉が閉まると同時に、男性は足早にその場から立ち去りました。
猟友会から相談を受けた警察は、この男性に警告したといいます。
すると翌月には、別の場所に設置した箱ワナに別の男性が接近。
男性は周囲を見回しながら、箱ワナに歩み寄ると、手慣れた様子で留め具を外して扉を閉め、その場から立ち去りました。
警察は、この男性に対しても警告したということです。
さらに2025年8月には、箱ワナの扉そのものが盗まれる事案が相次いで発生。
猟友会のメンバーは、動物駆除の目的を理解してほしいと訴えます。
猟友会のメンバー:
僕らも実際、動物を殺さずに頭数管理できればそれに越したことはないかもしれないけど、それは今の日本の生態系上無理なので駆除している。そこをご理解していただきたいなというのはありますね。
今回、新たに撮影された行為についても、猟友会は警察に相談し対応を進めていきたいとしています。