「乾物」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。
「戻すのが面倒」「料理に時間がかかりそう」などと思われがちだが、実は寒い季節は鍋物にもすぐ使える便利な食材。

また、乾物には“うまみ”や“栄養”がぎゅっと詰まっているという。

「調理次第では、うまみをぐっと上げておいしく食べることもできます」。そう話すのは、乾物の普及・発展に取り組む「日本かんぶつ協会」のシニアアドバイザーでかんぶつマエストロ講師の星名桂治さん。

そこで星名さんに、乾物の栄養について教えてもらった。

乾物は付加価値がついた食品

乾物はただ食品を乾燥させただけのものではない。「さまざまな付加価値が付いた食品なのです」と星名さんは言う。

昆布の天日干し(画像提供:星名桂治さん)
昆布の天日干し(画像提供:星名桂治さん)
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「干す際に太陽の光が当たることによって、食品に含まれる成分が変化します。太陽エネルギーがもたらす作用は大きく、保存性・うまみ・香りのほか、ミネラルやビタミンをはじめ多くの栄養成分を増幅させます。

乾物は日本人の生活の知恵が生んだ保存食であり、伝統食で、健康食でもあるのです」

そんな乾物は、主に以下の種類に分けることができる。

海の乾物:昆布、ひじき、わかめ、煮干し、海苔、かつお節など
山の乾物:干しダイコン、干しシイタケ、かんぴょう、春雨、豆類など
乾麺:うどん、そば、そうめん、スパゲッティなど
粉類:小麦粉、米粉、そば粉、パン粉など

その数はおよそ230品目にも及ぶそうだ。

乾物の栄養

では、乾物には具体的にどんな栄養が含まれているのか。