整備方針が決まっていない九州新幹線長崎ルート「新鳥栖-武雄温泉」間をめぐり佐賀県の山口知事は、「主体的に県が議論を進めるべき」との議員の指摘に対し「フル規格整備ありきの国側の意見」と強く反発した。
県議「県が主体的な立場に立つべき」
九州新幹線長崎ルートをめぐっては、西九州新幹線開業から3年が過ぎても「新鳥栖-武雄温泉」の整備方式やルートは決まっていない。

この問題について、12月2日に始まった佐賀県議会の一般質問で、議員から「県が主体的な立場に立つべき」との指摘があった。
知事「フル規格ありきの国側の意見」
これに対し、山口知事は次のように述べ、県が主体的に議論を進めることを強く否定した。

佐賀県 山口知事:
長崎ルートはメリット、デメリットなども議論されたうえで、フリーゲージトレインで合意して進められてきた。議員の意見は“フル規格整備ありきの国側の意見”のように思え、私とは視座が違うのではないか

一方、フル規格で整備した場合に佐賀県の費用負担を減らすため、国側が法改正を検討していることについては「何かが進んでいる状況ではない」と述べた。

佐賀県 山口知事:
財源スキームの問題だけではなくルートや在来線の地域振興などの課題について多面的な議論が必要だと思っているが、そうやってひとつひとつ様々な意見交換をしていくということも意義があると思っている。しかしながら、現時点、現状において具体的に何かが大きく進んでいる状況ではない

九州新幹線長崎ルート「新鳥栖-武雄温泉」間を、佐賀駅を通るフル規格で整備した場合、佐賀県の試算では負担額が1400億円以上になるとしていて、県の負担も課題のひとつとなっている。
