食卓を彩り、私たちの健康を支える四季折々の野菜と果物。せっかくなら、おいしく上手に食べたいもの。野菜と果物を知り尽くした“野菜ソムリエ上級プロ”で“果物ソムリエ”の堀基子さんが、おいしさと栄養を余すところなく引き出す方法をお伝えします。
文・写真=堀基子

増えすぎると生活習慣病の原因に

野菜・果物が健康維持に果たす役割の解説などで、よく耳にする「抗酸化作用」という言葉。何の酸化から、何を守るのか、まずはその基本からご紹介しましょう。

真っ赤なトマトは、抗酸化作用のある赤い色素成分「リコピン」がたっぷり
真っ赤なトマトは、抗酸化作用のある赤い色素成分「リコピン」がたっぷり
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野菜・果物が持つ抗酸化作用。それは体内の活性酸素を無害化する働きのことです。

私たちが呼吸で体内に取り入れた酸素のうち、約1~2%が活性酸素になるといわれています。活性酸素は周囲の物質を酸化させる力が非常に強く、本来は体内に侵入してきた細菌やウイルスを退治する役割を果たしています。しかし、体内で活性酸素が増え過ぎると、正常な細胞や遺伝子をも酸化して傷つけてしまうのです。体内の組織を酸化させることから「サビさせる」と表現されたりもします。

活性酸素は老化や生活習慣病の原因となる危険因子として知られ、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、がん、糖尿病、アルツハイマー型認知症といった疾患にも関与しているといわれています。ストレス、紫外線、激しい運動、飲酒、喫煙などが活性酸素を増やすとされていますので、アンチエイジングや生活習慣病の予防のためには、毎日の生活習慣に気を付けることがとても大切なのです。

「スカベンジャー」を取り込もう

こうした活性酸素のダメージから身体を守ってくれる正義の味方が「スカベンジャー」です。