2021年亡くなられた著名人の方々。3回に分け、田村正和さん、田中邦衛さん、橋田壽賀子さん、小林亜星さんなどが亡くなった1月~5月を振り返る。

【柔道金メダリスト・古賀稔彦さん(53)】3月24日死去

平成の三四郎と呼ばれ、1992年バルセロナオリンピック柔道男子71キロの金メダリスト・古賀稔彦さんが3月24日朝、川崎市内の自宅で亡くなった。53歳だった。

柔道金メダリスト・古賀稔彦さん(53) 3月24日死去
柔道金メダリスト・古賀稔彦さん(53) 3月24日死去
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関係者によると、2020年夏ごろにがんの手術を受け療養。古賀さんに会った関係者は、とても痩せていたことに驚いたという。

古賀さんと同じバルセロナオリンピックの金メダリスト吉田秀彦さんは「古賀先輩の訃報を聞き、今はただ驚きと、まだ信じられない気持ちでいっぱいです」と話した。

1992年のバルセロナオリンピックでは本番直前、古賀さんは吉田さんとの乱取り中に左膝の靭帯を損傷。それだけのアクシデントを乗り越えて、金メダルを獲得したことに吉田さんは心が震えたという。その時のことを「ケガで柔道ができる状態ではなかった古賀先輩が優勝した瞬間、私が金メダルを取ったとき以上の喜びを感じました」と振り返った。

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【俳優・田中邦衛さん(88)】3月24日死去

俳優の田中邦衛さんが3月24日、老衰のため死去した。88歳だった。

俳優・田中邦衛さん(88) 3月24日死去
俳優・田中邦衛さん(88) 3月24日死去

田中さんは1932年生まれ、映画・ドラマなど数々の作品に出演、映画「若大将シリーズ」では、加山雄三さん演じる若大将のライバル青大将を演じ、人気となった。1981年から放送されたフジテレビのドラマ「北の国から」では寡黙で不器用な父親を演じ、代表作となった。

「北の国から」の脚本を手がけた倉本聰さんは田中さんの訃報について「全然知らなかった。ニュースを聞くまで知らなかった。すごく元気にしていると連絡をもらっていた」と述べ、「(「北の国からで」)矛盾の中で翻弄(ほんろう)される人を描きたい。それを邦衛さんが素朴にやってくれた。衣装のまま歩き回って、おじいちゃんやおばあちゃんに声をかけたりしながら、どんどん富良野市民になっていった」と当時を振り返った。

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【俳優・田村正和さん(77)】4月3日死去

数々のドラマで活躍した俳優の田村正和さんが4月3日午後4時20分心不全のため、都内の病院で亡くなった。77歳だった。

俳優・田村正和さん(77) 4月3日死去
俳優・田村正和さん(77) 4月3日死去

田村さんは、往年の映画スター阪東妻三郎さんの三男で、兄・高廣さん、弟・亮さんも俳優という芸能一家で育った。1961年、高校在学中に映画「永遠の人」で本格デビュー。時代劇「眠狂四郎」といった代表作のほか、「ニューヨーク恋物語」など数々のテレビドラマでも魅了。コミカルな役からシリアスな役柄まで幅広く演じた。

1994年に放送が始まった代表作、三谷幸喜さん脚本のドラマ「警部補 古畑任三郎」は、最高視聴率34.4%を記録し、12年にわたって放送された。田村さん演じる古畑任三郎が柔らかい物腰のうちに秘めた卓越した推理力で、完全犯罪をたくらむ犯人たちと対決していく人気ドラマシリーズは、時代を超えて愛される作品となった。田村さん演じる古畑任三郎の独特の語り口は今でも耳に残る。

田村さんは以前、フジテレビのインタビューで、自らの俳優人生について「やっぱりこの仕事をやっている支えは、父がもしこの時代に俳優をやっていたとしたら、きっとこういう俳優であり続けるだろうなということを、頭の中に入れて僕はやっている。それがきっと支えになっているし、僕の俳優としてのスタイルになっているのかなと思っている」と話していた。

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【脚本家・橋田壽賀子さん(95)】4月4日死去

脚本家の橋田壽賀子さんが4月4日、静岡県熱海市の自宅で亡くなった。95歳だった。

脚本家・橋田壽賀子さん(95) 4月4日死去
脚本家・橋田壽賀子さん(95) 4月4日死去

橋田さんが亡くなったのは4日午前9時すぎ、急性リンパ腫の治療のため入院していた病院を3日に退院して静岡県内の自宅に戻っていたが、4日朝、息をひきとった。4日朝からは親交の深い女優の泉ピン子さんが付き添っていたという。

橋田さんは、映画会社松竹に入社し脚本家としてのキャリアをスタート。「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」など数々の名作ドラマを手がけ、2015年には文化功労者、2020年には文化勲章を受章している。

橋田さんは1974年から約半世紀、熱海市で執筆活動を続け、亡くなった後、熱海市から名誉市民の称号が贈られた。授賞式で熱海市・斉藤栄市長は「(橋田さんは)世界をクルージングした中で熱海が最高の場所だとおっしゃっておりまして、非常に執筆活動に集中できると常々おっしゃっておりました。きっと天国で喜ばれているんではないかなと思っています」と故人をしのんだ。

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【英国・フィリップ殿下(99)】4月9日死去

イギリスのエリザベス女王の夫、フィリップ殿下が4月9日亡くなった。99歳だった。

英国・フィリップ殿下(99) 4月9日死去
英国・フィリップ殿下(99) 4月9日死去

フィリップ殿下は、2021年2月に感染症の治療のため、ロンドン市内の病院に入院したが、3月に退院し、エリザベス女王と過ごしていた。在位中に何度もイギリスを訪問された上皇ご夫妻をはじめ、皇室とも交流を重ねていたフィリップ殿下だったが、2017年に公務を退いていた。

長男のチャールズ皇太子は10日、報道陣を前に、フィリップ殿下の人柄を振り返りながら「彼はとても愛され、感謝された人物だった。わたしの愛するパパは特別な人だった」とその功績をたたえた。

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【タレント・俳優・チャーリー浜さん(78)】4月18日死去

吉本新喜劇のチャーリー浜さんが4月18日亡くなった。78歳だった。

吉本興業によると、チャーリー浜さんは4月18日、呼吸不全・誤嚥性肺炎のため、大阪市内の病院で亡くなったという

チャーリー浜さんは1962年に吉本新喜劇に入団。新喜劇を中心に、テレビCMや舞台でも活躍した。代表的なギャグ「…じゃあ~りませんか」は1991年の新語・流行語大賞の年間大賞となっている。

【料理研究家・神田川俊郎さん(81)】4月25日死去

料理研究家の神田川俊郎さんが4月25日に亡くなった。81歳だった。

料理研究家・神田川俊郎さん(81) 4月25日死去
料理研究家・神田川俊郎さん(81) 4月25日死去

神田川さんは、4月16日に自宅の風呂場で転倒し、救急搬送。

新型コロナウイルスの陽性反応が見られたため、治療を受けていたが、死因はコロナによる肺炎だったことがわかった。

【三段目力士・響龍さん(28)】4月28日死去

大相撲春場所の取組で倒れ、闘病生活を続けていた28歳の力士が亡くなった。

日本相撲協会は29日午後、境川部屋の三段目の力士・響龍さん、本名・天野光稀さんが28日夕方、急性呼吸不全のため、東京都内の病院で亡くなったと発表した。28歳だった。

響龍さんは3月26日、春場所13日目の取組で頭を強く打ち、緊急搬送されていた。

日本相撲協会の八角理事長は「1カ月以上にわたる闘病生活、さぞつらかったかと思いますが、ご家族や師匠らの懸命の看病のもと、力士らしく、粘り強く耐え、病魔と闘ってくれました」とコメントしている。

【ジャーナリスト・作家・立花隆さん(80)】4月30日死去

「知の巨人」と呼ばれ、「田中角栄研究」などの著書で知られる、ジャーナリストでノンフィクション作家の立花隆さんが、4月30日、急性冠症候群のため亡くなった。80歳だった。

ジャーナリスト・作家・立花隆さん(80) 4月30日死去
ジャーナリスト・作家・立花隆さん(80) 4月30日死去

立花さんは長年、糖尿病などで入退院を繰り返したあと、旧知の病院で入院を続け、4月30日、急性冠症候群のため、亡くなったという。

立花さんは、東京大学を卒業後、政治や科学など幅広いテーマで取材や評論活動を行い、「知の巨人」と呼ばれた。

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【漫画家・三浦建太郎さん(54)】5月6日死去

人気漫画「ベルセルク」などで知られる漫画家の三浦建太郎さんが5月6日、急性大動脈解離のため亡くなった。54歳だった。

漫画家・三浦建太郎さん(54) 5月6日死去
漫画家・三浦建太郎さん(54) 5月6日死去

三浦建太郎さんは、1989年から代表作の漫画、「ベルセルク」の連載を30年以上にわたって続けていたが、2021年1月を最後に休載していた。

漫画を掲載していた白泉社は、ウェブサイトで「三浦先生の画業に最大の敬意と感謝を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントしている。

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【作曲家・小林亜星さん(88)】5月30日死去

作曲家で俳優としても親しまれた小林亜星さんが5月30日、心不全のため亡くなった。88歳だった。

作曲家・小林亜星さん(88) 5月30日死去
作曲家・小林亜星さん(88) 5月30日死去

小林亜星さんは、日本レコード大賞受賞曲「北の宿から」などの昭和歌謡の作曲を手がける一方で、聞いた人の耳と記憶に残るコマーシャルやアニメソングの作曲家としても知られた。

レナウンの「ワンサカ娘」「イエイエ」をはじめ、サントリー「オールド」、明治「チェルシー」、ブリヂストン「どこまでも行こう」、日立「この木なんの木」など数々のヒットCMを作曲。「科学忍者隊ガッチャマン」、「ひみつのアッコちゃん」、「魔法使いサリー」などのアニメソングでも親しまれた。フジテレビ「ママとあそぼう!ピンポンパン」から生まれた「ピンポンパン体操」は200万枚を超える大ヒットとなり、1972年日本レコード大賞童謡賞を受賞した。

また、ドラマ「寺内貫太郎一家」では、主演の頑固な父親役を熱演するなど、俳優としても親しまれた。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。