2021年亡くなられた著名人の方々。3回に分け、瀬戸内寂聴さん、中村吉右衛門さん、神田沙也加さん、細木数子さんなどが亡くなった10月~12月を振り返る。
【落語家・柳家小三治さん(81)】10月7日死去
落語家で人間国宝の柳家小三治さんが10月7日午後8時、心不全のため東京都内の自宅で亡くなった。81歳だった。
この記事の画像(13枚)小三治さんは、本名・郡山剛藏。1959年柳家小さん師匠に入門し、1969年に真打に昇進、十代目・柳家小三治を襲名した。2005年に紫綬褒章を受章したほか、2014年には、落語会で3人目となる人間国宝に認定された。
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【漫画家・白土三平さん(89)】10月8日死去
「サスケ」や「カムイ伝」で知られる漫画家の白土三平さんが10月8日、誤嚥性肺炎のため亡くなった。89歳だった。
白土さんは、1964年「月刊漫画ガロ」に「カムイ伝」の連載を開始。その後「ワタリ」、「カムイ外伝」など、多くの忍者作品を生み出してきた。
白土さんが息を引き取った4日後には、「カムイ伝」などの作画を手がけた弟の岡本鉄二さんも亡くなった。88歳だった。
ビッグコミック編集部は、「『カムイ伝』などの作品が切り開いた漫画表現の可能性を、さらに広げていけるよう尽力してまいりたい」とコメントを出している。
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【政治家・森山真弓さん(93)】10月14日死去
女性初の官房長官を務めた森山真弓氏が10月14日、老衰で亡くなった。93歳だった。
森山氏は、1980年(昭和55年)の参議院選挙に出馬し、初当選後、当時の環境庁長官や文部大臣、法務大臣などを歴任した。また海部内閣では、女性初の官房長官を務めた。
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【軍人・政治家・コリン・パウエルさん(84)】10月18日死去
アメリカで黒人初の国務長官を務めたコリン・パウエル氏(84)が10月18日死去した。84歳だった。
パウエル氏は、新型コロナウイルスによる合併症で18日朝、ワシントン郊外の病院で亡くなった。パウエル氏はワクチン接種を完了していたという。
パウエル氏は1991年の湾岸戦争当時、アメリカ軍の制服組トップである統合参謀本部議長を務め、2001年に発足したブッシュ政権では、黒人として初めて国務長官に就任。
2003年に国連で行った演説を機に、アメリカはイラク戦争に突き進んだが、退任後、人生の汚点だと振り返っていた。
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【原爆被爆者・坪井直さん(96)】10月24日死去
長年、被爆者援護の活動に取り組んできた広島県原爆被害者団体協議会の坪井直理事長が10月24日、亡くなった。96歳だった。
坪井さんは20歳の時に被爆し、瀕死の重傷を負った。原爆の影響でがんも患い、何度も生死の境をさまよいながらも、最後まで被爆者の代表として核廃絶の最前線に立ち続けた。
広島県被団協によると、坪井さんは貧血による不整脈で10月24日、入院先の病院で亡くなったという。
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【政治家・小川洋さん(72)】11月2日死去
福岡県の前知事・小川洋さんが11月2日午前、福岡市内の病院で亡くなった。72歳だった。
福岡市出身の小川洋さんは京都大学を卒業後、通商産業省に入省し、特許庁長官などを務めた後、2011年に福岡県知事に就任。知事としては豪雨災害への対応や次世代エネルギーの開発などに尽力し、3期目に入った2019年にはラグビーワールドカップの福岡大会の誘致にも成功した。
小川前知事は2020年から体調を崩し、2021年に入って肺腺がんと診断された。その後、療養が長引き公務復帰の見通しが立たないとして、3月に知事を辞職していた。
【秋篠宮妃紀子さまの父・川嶋辰彦さん(81)】11月4日死去
秋篠宮妃紀子さまの父親で、小室眞子さんの祖父にあたる、学習院大学名誉教授の川嶋辰彦さんが11月4日、東京都内の病院で亡くなった。81歳だった。
紀子さまの父親で、佳子さま、悠仁さま、10月26日に結婚した小室眞子さんの祖父にあたる川嶋辰彦さんは、入院していた東京・中央区の聖路加国際病院で、4日の午前11時55分に亡くなったと宮内庁が発表した。紀子さまや佳子さまが病院に駆けつけられ、眞子さんも合流し、川嶋さんを見送ったという。眞子さんは頻繁に病院を訪れ、川嶋さんを見舞っていた。
川嶋さんは研究活動のほか、娘の紀子さまが嫁いだ後は、海外でのボランティア活動も積極的に行っていた。
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【占い師・タレント・細木数子さん(83)】11月8日死去
バラエティー番組でも活躍した占い師の細木数子さん(83)が11月8日、呼吸不全のため亡くなった。83歳だった。
娘の細木かおりさんは公式インスタグラムで「悲しい出来事がありました。母・細木数子が呼吸不全で8日に満83歳で永眠しました。突然のことでした」と明かした。
歯にきぬ着せぬトークで人気を集め、多くのバラエティー番組にも出演した占い師の細木数子さん。1980年代に占い本を出版し、ブームに。2000年代には、多くのテレビ番組に出演、タレントの名前を改名するなど、話題となった。
2008年には、本業の仕事に専念するとし、人気番組のレギュラー出演をやめて以降、テレビ番組でその姿を見ることは少なくなった。
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【作家・瀬戸内寂聴さん(99)】11月9日死去
「夏の終り」など愛や生き方をつづった小説などで知られる作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが11月9日、心不全のため京都市内の病院で亡くなった。99歳だった。
1922年徳島県に生まれ、姉の影響もあり、幼少期のころから本を読むのが好きだったという寂聴さん。大学在学中に結婚したが、夫のかつての教え子と不倫し、幼い子どもを残し京都へ。その後離婚し、作家となった寂聴さん。自身の恋愛をもとに描いた作品「夏の終り」で女流文学賞を受賞。作家としての地位を確立した。
その後も次々と小説を発表し、人気作家となったが、1973年、51歳のときに出家し、世間を驚かせた。1998年には「源氏物語」の現代語訳を完成させ、“平成の源氏物語ブーム”をけん引。2006年には文化勲章を受章した。
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【プロ野球監督・古葉竹識さん(85)】11月12日死去
広島東洋カープの元監督で初優勝の立役者でもある古葉竹識さんが11月12日に亡くなった。85歳だった。
古葉竹識さんは1958年に社会人の日鉄二瀬からカープに入団。1年目からレギュラーとして活躍。1963年には長嶋茂雄さんと熾烈な首位打者争いを演じた。
現役引退後の1975年にカープの監督に就任。カープは創設26年目球団史上初のリーグ優勝を達成した。そして、1979年には地元でのV2を達成。そのままの勢いで球団として初めての日本一へと導いた。
カープの監督として11年間指揮を執りリーグ優勝4回、3度の日本一に輝いた。
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【歌舞伎俳優・中村吉右衛門さん(77)】11月28日死去
歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門さんが亡くなった。77歳だった。
吉右衛門さんは1948年、4歳の時に初舞台を踏み、1966年に、二代目中村吉右衛門を襲名。1989年から始まったフジテレビの時代劇ドラマ「鬼平犯科帳」シリーズでは、主人公の長谷川平蔵を演じて当たり役となり、お茶の間で親しまれていた。2011年には、重要無形文化財を保持する「人間国宝」となり、2017年には文化功労者にも選ばれた。
しかし2021年3月に東京都内のホテルで倒れ、心肺停止の状態で病院に運ばれた。その後、舞台への復帰を目指し、治療が続けられてきたが、11月28日に息を引き取った。
吉右衛門さんの義理の息子・尾上菊之助さん(44)は「ご自分のことより、ひじを折って手術したわたしのことを心配してくださって、“千秋楽まで2日だからがんばるぞ”と、強い言葉をかけてもらった。尊敬するとても優しい父でした」、「岳父の芝居を愛して下さったみなさま、本当にありがとうございます。岳父のこと、中村吉右衛門のこと忘れないで下さい」と涙ながらに思いを語った。
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【歌手・俳優・神田沙也加さん(35)】12月18日死去
映画「アナと雪の女王」の日本語吹き替え版で、ヒロインの声を担当した女優の神田沙也加さん(35)が、18日、滞在していた北海道・札幌市内のホテルで倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。
関係者によると、神田沙也加さんは18日の午後1時ごろ、札幌市内のホテルの14階にある屋外スペースで倒れた状態で発見された。警察は、自殺と事故の両面で調べを進めている。
神田沙也加さんは、俳優の神田正輝さんと歌手の松田聖子さんの長女で、札幌市内で主演ミュージカル「マイ・フェア・レディー」の舞台に出演を予定していたが、18日は急きょ出演を取りやめていた。
悩みや不安を抱えて困っているときには、電話やSNSで相談する方法があります。
「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」など複数の窓口があり、厚生労働省のホームページにも案内があります。
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