速く走るためには腕の動きも重要だ。
ポイントは、足の動きとタイミングを合わせることと、振り幅を意識すること。

腕は「後ろへ大きく、前に小さく」

足が遅い人の大半は、腕と足を振るタイミングがずれていることが多い。

そこで、まずはこのタイミングを体に覚えさせるドリルを行う。単純なドリルに思えるかもしれないが、タイミングを習得すれば腕の振りと足の振りの両方の力で効率よく前に進むことができるようになる。

腕と足のタイミングを合わせるドリル
腕と足のタイミングを合わせるドリル

【腕と足のタイミングを合わせるドリル】
(1)足を肩幅に開いて立ち、右腕と左足を上げた状態でスタート
(2)右腕と左足を同時に下ろし、左腕と右足を同時に上げる
(3)この動作を20回繰り返すことを1セットとし、2セット行う

右腕と左足、左腕と右足の上げ下ろしのタイミングはあくまでも同時。どちらかが早すぎてもダメだし、同じ側の腕と足が一緒に上がっていてもダメ。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

そして、レース中の腕の振りは「後ろへ大きく、前は小さく」が基本。

スタート時は推進力を得るために後ろから前に思い切り振るが、加速したら、後ろへ大きく、前に小さく振る。前に大きく振り続けると力が上に向き、前に進みづらくなってしまう。

ひじはたたんで体に近付ける。手をグーにするか、パーにするかは好みだが、グーにすると腕に余計な力が入り、振りが鈍くなる恐れがあるため、高林院長はパーを推奨する。

回転力を上げる「お尻たたき走り」

次は、かかとをお尻に近付ける「お尻たたき走り」。

ジョギングではひざを前に出す省エネの走り方をするが、スプリントではかかとをお尻に近付けて走る。その理由を高林院長は次のように説明する。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

「フィギュアスケートのジャンプをイメージするとわかりやすいのですが、両腕を体の中心に集めた方が広げている時よりも速く回転できます。

スプリントも一緒で、体の中心に手足を近付けた方が足の回転力が上がります」

お尻たたき走り
お尻たたき走り

【お尻たたき走り】
(1)足のかかとでお尻をたたきながら走る
(2)20歩前進することを1セットとし、2セット行う

片方の足が着地した時に反対の足のかかとでお尻をたたくのがポイント。回転軸である股関節に足を近付けることで、足をスムーズに回転させることができる。

この動きが身に着くと、後ろに振った足の太ももが後方に流れることがなくなり、片方の足が着地した瞬間に、もう片方の足の膝が追い越すという理想のタイミングがとれるようになる。