FNN・フジニュースネットワークが週末に行った世論調査によると、中道改革連合の新代表に小川淳也氏が選出されたことで「中道へのイメージは変わったか」という問いに対し「変わらない」という答えが81%で圧倒的だった。
また今後については「今のまま」の16%や「参院議員や地方議員も新党に合流した方がいい」の22%を抑えて「再び公明と立憲に分かれた方がいい」の52%が最も多かった。
つまり新党への期待は残念ながらかなり低い。
小川新代表に“違和感”
小川新代表は13日の就任会見で「邪心に満ちた解散のあり方は、健全な自由と民主主義とは対極にある」と高市政権を批判し、今後も与党との対決姿勢を保つことを明らかにした。
会見を聞いていて違和感を持ったのは、敗戦の原因の説明や落選議員や支持者への「お詫び」が少なかったことだ。もちろん選挙前の急な新党結成、政策のすり合わせ不足、比例順位のつけ方など、責任は旧執行部の共同代表だった野田佳彦氏や共同幹事長だった安住淳氏らにある。
だが彼らはすでに退陣しているので謝ったり反省したりする人がいなくなってしまった。小川氏は前を向いて今後の話をしたのだが、落選議員や支持者たちは前に進むよりまず今回の選挙のやり方に納得していない。
ガチンコで負けている
そもそも中道の立憲出身者たちがあまり反省しているように見えないのも不思議だ。たとえば野田氏は16日付の自身のブログで「自民党にガチンコ勝負に負けたという実感はありません」と書いている。
自民は316議席で中道は49議席。うち立憲系は21議席なのだが、勝ちすぎて比例名簿が足りなくなった自民から6議席、チームみらいから1議席、「おこぼれ」をもらっているので本当の実力は21から7引いた14議席。
316議席対14議席のどこが「ガチンコで負けたという実感はありません」なのか。なぜこここまで「ガチンコで負けたのか」を徹底的に議論して落選議員や支持者に説明するのが先ではないのか。現状認識が甘いと思う。
悲劇のヒーロー・ヒロインではない
SNSには何人かの議員が短い日数で議員会館や議員宿舎を引き払うのは本当に辛いと投稿している。私も本当に気の毒に思う。議員だけでなく秘書や学校に通う子供もいる。
だが一般の人から見てどうなのか。普通に借りれば賃料が毎月30万円も40万円もする事務所や自宅を安い賃料で使い、落選して次の人に渡さなければいけないのだからすぐに出ていくのは当たり前と思う人がいるということを想像できないのか。
また前述の自民の「おこぼれ」で比例復活した議員がX(旧ツイッター)に「議席が天から与えられた」と投稿したところ、「天からでなく自民党から与えられたおこぼれだろ」と突っ込まれ炎上した。
悲劇のヒーローやヒロインのように振る舞っても残念ながら世間はそうは思わない。
旧立憲の当選議員は“7人の侍”?
これに対してなぜかオールドメディアは同情的だ。朝日新聞とNHKが小選挙区で当選した7人の立憲系議員に対し「7人の侍」という表現で「立憲アゲ」の報道をしていたのには結構驚いた。
「7人の侍(党関係者)が高市人気の逆風をはね返した勝因とは(11日付朝日)」などと持ち上げているのだが、その「7人の侍」に指名された立憲系の泉健太議員はXに「アホいうたらいかんよ」と怒りの投稿をしている。
この人は代表選びの時にも参院の辻元清美氏の名前が代表候補に上がった時に同じく「アホいうたらあかんよ」と投稿し、「辻元さんは立憲の参院議員ですから中道の代表選に出る権利は持っていません」と冷静に説明している。
小川氏の「火中の栗を拾う」情熱あふれる姿勢もいいが、個人的には今回は泉健太氏の代表再登板の方が良かったのではないかと思っている。
ちなみにこの「7人の侍」報道はネットで「7人の落武者だろ」などと総スカンを食って炎上中だ。朝日とNHKは「7人の侍」も結構だが「7人のおこぼれ」についても報道してほしかったな。
有権者は残酷
その泉氏だが代表戦に出なかったことで離党もささやかれている。国民民主党の玉木雄一郎代表は15日のフジテレビの番組で中道の議員の国民への合流について「いろんな連絡は頂いている」と述べて、当選落選含め合流希望者がいることを明らかにした。
有権者、支持者というのは実は残酷で、一度失敗した政治家や政党を長い間許さない。最近では2022年に発覚した自民の派閥パーティーの政治資金不記載問題で、24年の衆院選、25年の参院選で自民は惨敗した。いまだに許してもらってないと思う。
2009年に発足した民主党政権では辺野古移設や子ども手当の混乱でマニフェストを守らなかったと批判され12年の衆院選で大敗し政権を失ったが、その後民主党は分裂した。これもいまだに許してもらってない。
古くは1988年のリクルート事件をきっかけに自民党が初めて下野し自民党一党支配の55年体制が終わったこともある。
今回の中道の電撃的な立ち上げと歴史的な惨敗は前述の3つに匹敵する、あるいはそれ以上の大きなチョンボだと思う。悲劇のヒーローやヒロインにはなれない。前を向いて走りますと言っても相手にされない。ただひたすら反省しお詫びするしかない。
“中道”を解散するしかない
それでもたぶん有権者は許してくれない。ではどうすればいいのか。それはまず公明と別れて、この中道改革連合を解散するしかないと思う。
来年は統一地方選、再来年は参院選があるが、これを中道改革連合で戦いたいと思っている候補者はあまりいないだろう。
解散した後に国民や維新に合流するのも良いと思うし、合流できない人は立憲と公明に戻ってもいい。あるいは新党を作るのか。まあどうなっても少なくとも今よりはマシだと思う。落選者も含めて力のある良い議員はたくさんいるのでぜひ早く決断して再出発してほしい。
