皇后さまは、12月9日に62歳の誕生日を迎えられました。誕生日にあたり文書を寄せ、1年を振り返られています。
陛下、愛子さまとともに「慰霊の旅」
皇后雅子さまは、12月9日、62歳の誕生日を迎えられました。

誕生日にあたり寄せた文書で、戦後80年を迎えた1年を振り返り、「今後とも永続的に平和を守っていくことの大切さを改めて深く心に刻む年になりました」と綴られました。
両陛下は今年、小笠原諸島の硫黄島を皮切りに沖縄・広島・長崎などで戦没者を慰霊されました。
沖縄と長崎には愛子さまも同行し、戦争体験者や遺族らから話を聞かれています。
戦争を知らない世代が学び、後世に伝えていくことの大切さを感じられたという皇后さま。
「辛い体験を話して下さった御高齢の方々に心から感謝したいと思います」と綴られました。
モンゴル訪問の思い出
7月、両陛下は、国賓としてモンゴルをご訪問。
政府庁舎にある伝統的なテント「ゲル」の中で大統領夫妻と面会し、陛下は「雅子にとっては初めてですので、今回2人で揃ってモンゴルの歴史、社会、文化に触れることを大変楽しみにしております」と述べられました。
滞在中、国民的なスポーツの祭典「ナーダム」も観戦された両陛下。
羊のくるぶしの骨を使い、的に当てる伝統競技「シャガイ」を体験されました。
皇后さまが最も得点の高い的に当てられると、大きな歓声が湧き上がりました。
訪問を「深く心に残る滞在」と振り返り、モンゴルでのおもてなしに感謝された皇后さま。
誕生日に公開された映像でお二人がご覧になっているのは、平成19(2007)年のご訪問時に陛下が頂かれたモンゴルの民族衣装や、今回、大統領夫妻から贈られた訪問時のアルバムです。
皇后さまは「ゲルの中に初めて入りました」、陛下は「シャガイは的に当ててよかったね」とお二人で思い出を語り合われたということです。
手話で会話できる楽しさと喜び
10月の「秋の園遊会」では、全日本ろうあ連盟の元理事長、石野富志三郎さんから手話を教わる場面もありました。
皇后さまが「手話を習いたいなと思いながら」と話されると、石野さんは「ぜひとも手話を覚えていただけたらと思います」と応じ、「ありがとう」の手話を示すと、両陛下もそれに倣って手を動かされていました。
11月、ご一家で東京デフリンピックの競技を観戦し、選手らと手話を交えて交流されました。
皇后さまは「この機会に覚えたほんの片言の手話でも、聴覚に障害のある方々と直接会話できたことに喜びと楽しさを感じました」と綴り、障害のある人々に対する理解と協力が広がることを願われました。
そして、長年手話に取り組まれている紀子さまと佳子さまに「敬意を表したい」と記されました。
この1年、大阪・関西万博のために来日した各国の王族らと御所で面会されている両陛下。愛子さまも交え夕食をともにするなど、旧交を温められたことを喜ばれました。

皇后さまは次のように文書を結ばれました。
「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら、できる限りの務めを果たすことができるよう努力していきたいと思います」
(「皇室ご一家」12月21日放送)
