それに対して40代は、自分が望むものをストレートに手に入れる力強い意志があります。40代とは、ある意味で、自分のキャリアの理想像を実現するための、最後のチャンスなのでしょう。

余力もあり、経験もあり、現実が見えている中で、まだ理想をあきらめるには早い、という過渡期です。

・管理職の仕事が実はあまり好きではない。収入を増やしつつ、管理職として働く以外のキャリアを模索していきたい。
・リモートワークで働きたい。可処分時間を最大化して趣味や余暇に当てたいし、同時に年収水準も捨てたくはない。
・会社の中でのキャリアが頭打ちになり、上を目指すのはもう難しいが、収入をここから増やしていくために何をすればいいのか、柔軟に考え続けたい。
・転職して年収は上がったが残業が増えてしまい、とてもじゃないが長くは耐えられない。何とかして理想のバランスを追求したい。
・地方在住でも一応仕事は見つかるが、待遇がいまいち。勤務地を固定しつつ、希望通りの職種、年収での転職を実現したい。
・明らかに将来性のない会社、暗い話ばかりの斜陽産業から早く抜け出して、もっと明るい未来を掴みたい。
・育児が落ち着ついてきたタイミングで、以前からずっと憧れていた仕事に、副業で少しずつ挑戦してみたい。

実は、20代・30代の若い人たちよりも、40代のベテラン会社員の人たちの方が、将来のキャリアに対してむしろ前向きで、「自分が本当にやりたいこと」を追求しようとしている印象を私は受けます。

年齢による制限があることは十分に承知のうえで、それでも、「まだ将来をあきらめたくない」というエネルギーを感じます。

あなたも、きっと、まだやれるはずです。転職の道も、副業の道も、独立の道も、まだあります。一緒に考えていきましょう。

『40代からの転職と副業』(育鵬社)

安斎響市
日系大手メーカー海外営業部、外資系大手IT企業の事業企画部長などを経て、2023年に独立。「転職とキャリア」をテーマに、書籍、note、Xなどで発信している

安斎響市
安斎響市

1987年生まれ。日系大手メーカー海外営業部、外資系大手IT企業の事業企画部長などを経て、2023年に独立。「転職とキャリア」をテーマに、書籍、note、Xなどで発信している。著書に『転職する勇気』(育鵬社)、『私にも転職って、できますか?』『すごい面接の技術』『正しいキャリアの選び方』(以上ソーテック社)、『転職の最終兵器』(かんき出版)、『note 副業の教科書』(ぱる出版)、『転職は待ちが9割』(ソシム)、『1%の気くばり』(大和書房)など。