心も体も大きく成長する時期、「思春期」。
そんな10代の子どもの心のなかには将来の不安や葛藤が渦巻き、それがときに反抗的な態度や挑戦的な言葉として、大人や社会への不信感として表れる。
10年以上児童思春期精神科病棟に勤務する、精神科認定看護師のこど看(かん)さんの著書『児童精神科の看護師が伝える 10代のこわれやすいこころの包みかた』(KADOKAWA)。
本書から、少しずつ子どもが大人に近いて手を離れ始めたときに親が向き合いたい「自問」と、「今できていること」に目を向ける大切さを一部抜粋・再編集して紹介する。
手を離れる寂しさは手をかけてきた証
子どもが徐々に自分の手を離れていくとき、寂しさや不安、心配を感じない親はいないと思います。久しぶりに話せたと思ったら、何気ないひとことでケンカになり、気まずい状態のまま一日が終わる……なんてこともあるのではないでしょうか。
「またケンカしてしまった」と子どもとの関係性について悩んだり、「育て方がまずかったのかも」と自分を責めて落ち込んだりする方も少なくないはず。ただ、その不安の大きさこそが、あなたがこれまでがんばってきた証ではないでしょうか。
登校準備も宿題の管理もしてあげなくていい。子どもは自室にこもるようになって会話も減ってくる。
たまに話しかけてきたと思えば、ぶっきらぼうに学校からのお知らせプリントを渡される。
子どもと過ごす時間が徐々に減って、自分の時間が増えて少しは自由になったはずなのに、なぜか心がざわざわする。そんな寂しさにも似たなんとも言えない気持ちを感じたことがある方もいらっしゃることでしょう。
あなたにも子どもにも人生がある
「もう手を離さなきゃ」と思いながらも、「でもまだ……」と揺れる日々。この葛藤は本当につらく、答えを先送りにしてしまうこともあるでしょう。
ですが、あなたにはあなたの人生があるように、子どもにも子どもの人生があります。あなたの目の前にいる子もいつかは大人になり、自分を支えられるようになるだけでなく、あなたを支える存在になっていくかもしれないのです。
