フィギュアスケート・全日本ジュニア選手権(会場:東京辰巳アイスアリーナ)が11月22日から24日にかけて行われた。
女子は、島田麻央が史上初となる5連覇、男子は中田璃士が2連覇を果たした。
前回の全日本選手権で2位表彰台となりシードの島田麻央、中田璃士を除く男女上位6名が、12月開催の全日本選手権に推薦された。
さらに、東日本選手権・西日本選手権と全日本ジュニアのスコアから上位3名のジュニア選手が全日本選手権への出場枠を勝ち取った。
全日本選手権への出場権をつかんだジュニア男子の選手たちを紹介する。
中田璃士が2連覇達成
男子はシードの中田璃士を除く上位6名が全日本選手権へ推薦、3名が出場権をつかんだ。
昨季世界ジュニア優勝の中田璃士がショート、フリーともにその実力を見せ、大会歴代最高得点で2連覇を達成した。
左足の疲労骨折を抱えながらジャンプの練習を積めていない状態で挑んだ今大会。
ショートは冒頭出来栄え点3.04がつく流れのあるトリプルアクセルを成功させると、その後も不安を感じさせない圧巻の演技を披露。今大会唯一の80点台をマークし、首位発進する。
「公式練習で4回転3本決めたので自分を信じてやった」と話すように、フリーで今季自身初めて4回転を3本組み込む攻めの構成で挑んだ。
冒頭の4回転サルコーと2本目の4回転トーループは途中で軸が傾いたが修正し、加点の出来で成功。3本目の4回転トーループ3回転トーループのコンビネーションジャンプは、見事なジャンプで出来栄え点1.90を獲得した。
後半の3回転ループで着氷が乱れるも、王者の貫禄あふれる気迫の滑りで演技後はガッツポーズが飛び出した。
演技後引きあげてきた中田を父・中田誠人コーチは抱きしめ、会場からも大きな拍手が送られた。2位に約20点差をつけ、目標としていた圧勝を飾るとカメラに向かって1位ポーズ。
中田が記録した255.25点は鍵山優真が2019年に記録していた、全日本ジュニアの大会記録251.01点を更新する得点だった。
12月にはジュニアグランプリファイナル、全日本選手権と大きな大会が続くことになる。
「全日本では納得のいく演技で優勝を目指して頑張りたい」
去年悔しさを味わったジュニアグランプリファイナルでのリベンジ、そして2位表彰台に上がった全日本選手権で今年はどんな活躍を見せてくれるのか、期待したい。
海外にも名を轟かせる西野太翔が2位
2位は西野太翔。
今季はジュニアグランプリイタリア大会で国際大会初優勝、2戦目のポーランド大会でも2位表彰台でジュニアグランプリファイナルに進出するなど、その名を海外にも轟かせている。
滑走順抽選で第1グループの4番滑走を引き、朝7時からの公式練習に西野は「はやすぎる…」と不安な表情を見せていた。
しかし、翌日のショートでは踊り心とスピード感あふれるノーミスの演技で、自己ベストの79.95点をマーク。細かい振付を表現しながら、表情でも魅せた西野のステップには、今大会男子で最高の1.25の加点がついた。
「1位を狙って練習してきた。去年のリベンジがしたい」と話したフリーでも、会心の演技を見せる。冒頭今季から取り組んでいる4回転トーループを出来栄え点1.71の出来で成功させると、続く4回転サルコーも着氷。
その後のジャンプもすべて着氷させ、演技後は大きく拳を握った。ショートとは一転ダークで力強いプログラムを見事に表現し、会場はスタンディングオベーション。指導する佐藤操コーチもガッツポーズで西野を迎えた。
去年は初めて全日本ジュニアの表彰台にあがるも、演技の悔しさから表情が晴れなかった西野。今年は今大会ショート、フリーですべてのジャンプを着氷させ、晴れやかな表情での2位表彰台となった。
「1番のライバルであり最高の友達」と話す中田とともに挑む、自身初のジュニアグランプリファイナルと3年連続3回目の全日本選手権。
「オリンピックシーズンの緊張感の中で、自分がどこまで食い込めるか試したいです」
大舞台でさらなる高みを目指して翔ける、16歳の笑顔が見られることを期待したい。
