あなたのそばには急な入院などの際に「私のパンツを持ってきてくれる?」と言えるような間柄の友人や身近な人はいるだろうか。
現在77歳の現役医師・鎌田實さんは、多くの死に立ちあってきたなかで、おひとりさまでも“うまいように死ぬことができる”ことを知ったという。
著書『うまいように死ぬ』(扶桑社)から、幸せ度が高いおひとりさまやおひとりさまが人生最後の準備で必要なことを一部抜粋・再編集して紹介する。
幸せ度がけっこう高い
日本男性が孤独に陥っている背景には、「結婚しない」、あるいは「結婚できない」という問題もあるのかもしれません。昨今の日本国民の間では、結婚への意欲が急速に下がっているようです。
2021年段階で、日本では男性の約23.4%、女性の約14.1%が未婚です。半世紀前の日本では、男女ともに生涯未婚の人は約2%でした。この生涯未婚率は、今後さらに上昇すると考えられ、同資料では2030年には男性29.5%、女性22.6%に到達すると予測されています。
生涯未婚率と並んで大事なのは、3組に1組が離婚しているという事実です。2022年の特殊離婚率は約35.5%です。日本では毎年60万組が結婚するのですが、そのうち離婚が21.5万組。つまり40万人以上のバツイチやバツニが誕生するというわけです。
でも数字はあくまで数字でしかありません。「だからどうだっていうの!」と居直ってしまうことが大事。伴侶がいようといまいと、結局、最後はみんながひとり。パートナーがいたとしても、必ずどちらかが先に亡くなり、最後はひとりになるのです。
2024年の総務省統計では、65歳以上の人口は約3625万人と過去最多ですが、2022年の調査では夫婦のみの世帯や単独世帯がそれぞれ約30%です。