あなたは本当に適切にAIを使い、子どものためになる使い方を教えられるだろうか?AIリテラシーの第一人者である札幌国際大学基盤教育部・教職センター准教授の安井政樹さんは、著書『「考える力」と「好奇心」をぐんぐん伸ばす AI×学び入門』(日経BP)で、子どもたちが人間の感情の「正解」をAIに尋ねるようになることに懸念を示している。
本書から一部抜粋・再編集して紹介する。
思考を省いてはいけない領域
「なんであの人は怒っているんだろう?」
「この場面では、どうしたらよかったんだろう?」
こうした疑問は多くの場合、はっきりとした結論が出ません。しかし考える時間は決して無駄ではなく、むしろ、人間だからこそ引き受けなければならない思考だと思っています。
人と人が関わる場面では、相手の表情や声のトーン、そのとき置かれている状況や背景を感じ取りながら、その場その場で、
「これは言わないほうがいいかな」
「今は距離を取ったほうがいいかな」
などと迷いながら関わることが不可欠です。そこに、人間らしさがあるともいえるでしょう。
もし、こうしたことまで含めて、
「このとき、相手はなぜ怒っているの?」
「どうすれば相手は喜ぶの?」
と、すべてをAIに聞くようになってしまったら、どうなるでしょうか。
