2024年夏に宮崎県小林市の野尻湖で爆発的に繁殖していた外来植物ボタンウキクサ。2025年1月から除去作業が開始され、4カ月あまりが経った。現在、ボタンウキクサは減っているのか!?現地を取材すると、劇的に撤去が進んでいた。

2025年1月は湖全体が覆われていた

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2025年1月。当時の野尻湖の様子を捉えたドローン映像を見ると、湖全体が水草に覆われていた。想像以上の繁殖力で、陸地と湖の区別がつかないほどだった。

ボタンウキクサは、もともと観賞用に輸入された水草で、特定外来生物に指定されている。2023年10月に小林市の野尻湖で生育を確認以降、爆発的に繁殖した。

繁殖した範囲は、ピーク時には東京ドーム17個分にあたる約80ヘクタールにも及んだ。

県は約2億1600万円の予算を組み、1月から除去作業を開始。県外から専用の船を手配し回収を進めてきた。

作業開始から4カ月あまりで…劇的に!

作業開始から4カ月あまり。テレビ宮崎の児玉泰一郎アナウンサーが、久しぶりに現場を訪れた。すると…

児玉泰一郎アナウンサー:
きれいに湖面が見えますね。どこからが湖かもわかります。除去が進んでいます。

ドローンを使って上空から見てみると…

児玉泰一郎アナウンサー:
きれいになっていますね。前はゴルフ場のような光景が広がっていたのですが、湖面が姿を表しています。

都城土木事務所 福島正寛課長:
繁殖範囲が80ヘクタール強あったところで、現在1〜2ヘクタールのところまで撤去が完了している。劇的に撤去できた。業者さんにがんばっていただいた結果。

作業を実施・丸昭建設 亀元正己さん:
今は機械も入れているが、機械以外にも人力で回収業務をしている。

ひとつずつボタンウキクサを回収する

実際に船に乗せてもらい、作業の様子を見せてもらった。すると、湖の奥の方では小型の回収船で作業が進められていた。

船が入れないところは、船の上から、あるいは船を降りて、網ですくっていた。

さらにウェットスーツを着用し、小さい網を使っての除去作業も行われていた。なぜここまで徹底した除去を目指すのだろうか。そこには繁殖力が強いといわれるボタンウキクサの特徴があった。

油断できない!3ヶ月で1000倍になると言われれる繁殖力

回収チームのリーダー・テクアノーツ 金岩紀彦さん:
新しい茎が出て、こんな感じで枝分かれして、これがちぎれてまた増えていく。この時期はだいたい1カ月で10倍、2カ月で100倍、3カ月で1000倍くらいになると言われているので、ここ2〜3カ月が大事な時期。

クローン繁殖もするボタンウキクサは、水温が上がるこれからの時期に増えていくということで最後の詰めの作業をしていた。

都城土木事務所 福島正寛課長:
増殖のスピードも早いので、我々もダム湖を管理する立場としてやっかいな植物と改めて感じたところ。

回収したウキクサは仮置き場で枯らして、今後、処分方法を検討することになっている。完全な撤去は難しいため、都城土木事務所では、作業終了後も巡視の頻度を増やし、見つけ次第回収する方針だ。

(テレビ宮崎)

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