特定外来生物「ボタンウキクサ」は、宮崎県小林市の野尻湖で2023年10月に生息を確認し、1年余りで約80ヘクタールにまで生息域が拡がった。宮崎県は約2億1600万円の予算で2025年1月から除去作業を開始し、約1カ月で約半分を除去した。繁殖が再開するまでに除去完了できるだろうか。

特定外来生物が爆発的大繁殖

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特定外来生物に指定されている「ボタンウキクサ」。もともとは観賞用に輸入された水草で、強い繁殖力が特徴だ。葉は枯れているが根は生き生きしており、春になると繁殖を再開する。

ボタンウキクサは2023年10月に小林市の野尻湖で生育を確認以降、爆発的に繁殖した。

本格的な除去作業に着手

宮崎県は約2億1600万円の補正予算を組み、1月9日から本格的な除去作業に乗り出した。
あれから1カ月半…。

流木などをせき止める岩瀬川の網場。こちらでは、現在も回収船を用いて除去作業が続けられている。今も一面がボタンウキクサで覆われたままに見えるが、ヘリコプターから撮影した映像を宮崎県の担当者に確認してもらうと…。

都城土木事務所河川砂防課 鏡園義幸課長:
上空からの映像を見せていただいたが、岩瀬川では半分近く進んでいるのではないか。

都城土木事務所によると、ボタンウキクサが繁殖した範囲は、ピーク時には東京ドーム17個分にあたる約80ヘクタールあった。

現在は、本流の岩瀬川を重点的に除去作業が行われていて、進捗は順調だそうだ。

2024年8月の岩瀬川の様子。

都城土木事務所河川砂防課 鏡園義幸課長:
以前は上流の方までウキクサがあったが、今は水面が確認できる。

一方、「のじりこぴあ」近くの国道268号の下を流れる戸崎川。こちらは、まだ一面にボタンウキクサが確認できる。

都城土木事務所河川砂防課 鏡園義幸課長:
戸崎川は岩瀬川の支川になっていて、実はまだ手つかずで、今後、本川の進捗を見ながら支川のウキクサの除去に取り組んでいきたいと考えている。

枯れるまで移動できないウキクサ

特定外来生物であるボタンウキクサは、完全に枯れるまで外部に移動させることができない。

仮置き場には、回収されたボタンウキクサが次々と運び込まれ、人の背丈よりも高く積み上げられている。

都城土木事務所河川砂防課 鏡園義幸課長:
限られた土地ではあるが、配置などを工夫しながら搬出を行っていて、こちらも順調に進んでいると考えている。

都城土木事務所は、ボタンウキクサの繁殖が活発化する4月末までに除去作業を終えたいとしている。

(テレビ宮崎)

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