妻と結婚して24年、4人の子をもつ“パパ”が、家族には決して明かすことの無かった秘密。夫は、風俗店で出会った女性と、月に一回、3万円を渡してラブホテルで密会していたのだ。夫の裏切りを知った妻は、怒りの矛先を相手女性へと向けた―――。
高橋真紀さん(仮名)は、夫・健司さん(仮名)が元デリバリーヘルス店の従業員の大井美咲さん(仮名)とホテルで密会し、性的行為を行っていたことを知り、美咲さんに対して損害賠償として330万円を求めて提訴した。
この裁判に登場する3人は、奇しくも全員、昭和50年代半ばに生まれた40代中盤の“同い年”だった。
会うたびに3万円渡し…
原告である妻・真紀さんは、2001年に夫・健司さんと結婚。4人の子どもがおり、うち3人は成人している。
一方、被告の美咲さんは、首都圏にあるデリバリーヘルス店で勤務していた。健司さんは2019年頃から美咲さんを指名し、ラブホテルで性的サービスを受ける利用客だった。
デリバリーヘルス店は2020年2月頃に営業を終了したが、その後も健司さんと美咲さんは個人的に連絡を取り、ホテルで性的行為をする関係が続いた。密会場所は隣県のラブホテルなどで、頻度は月1回程度、期間は4年に及んだ。
健司さんは、会うたびに“対価”として美咲さんに3万円を渡していたという。
それだけではない。健司さんは、美咲さんの誕生日に2万円を贈ったり、美咲さんとその娘の遊興費や旅行費の一部を負担したりしていた。
さらに、車を購入する際には、美咲さんを自分の会社の従業員であるかのように装って協力していたという。
妻の慰謝料請求
妻の真紀さんが2人の関係を知ったのは2024年5月。翌6月には、代理人弁護士を通じて美咲さん側へ慰謝料請求の通知書を送付した。
だがその3日後、真紀さんは夫の健司さんから反省の弁と「夫婦関係の修復」について約束され、それを信じた。
真紀さんは再び代理人を通じて、「慰謝料請求については、貴殿が健司氏と不貞行為等これに準じる行為を行わないことを前提に、これを撤回するご意向です」と記載された文書を、美咲さん側へ送った。
その後、夫婦は9月に別居。妻の真紀さんは、美咲さんを相手取り、精神的苦痛を理由に、慰謝料300万円と弁護士費用30万円の計330万円を求める裁判を起こした。
妻は「不貞行為」と主張
妻・真紀さんは、2人のこれまでの関係について「不貞行為にあたる」と主張した。
「従業員」と「客」という関係を超え、閉店後も4年以上にわたり月1回の接触が継続した。これらについて、「愛人として両者が交際していた」と訴えたのだ。
その上で、夫と美咲さんとの関係が発覚後、夫婦関係が悪化したと強調。不貞関係が長期間に及び、被告・美咲さんが健司さんを積極的に誘う形で性的交渉が行われているため、極めて悪質であるにも関わらず、美咲さんが反省の態度を見せていないと主張した。
さらに、美咲さんは健司さんが既婚者であることを知った上で性的な関係を持っていたとも主張した。
