相次ぐモバイルバッテリーの発火事故。
保管方法に悩む人が増えるなか、冬本番を迎えても大きな火災になりかねない事故が発生している。

モバイルバッテリーが発火した人:
「ボン!」とか「バン!」とか破裂音・爆発音みたいな感じです。火柱が20cmくらい立っていました。

冬場にも発火事故が…

今週月曜日の1日には、熊本市内の中心街で、道路に落ちていたモバイルバッテリーが燃え上がる事故が発生。

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記者リポート:
交通量の多い場所ですが、道路の車線の真ん中くらいに黒く焦げた物が残っています。

けが人はいなかったものの、白昼の道路での突然の発火事故に現場は騒然としていた。

モバイルバッテリーといえば、暑い時期に高温の場所に置いておくと発火する事故が相次いでいたが、気温が下がる冬場にも発火事故が起きていた。

モバイルバッテリーが発火した人:
目を覚ましたら空気が熱いんですね。横を見たら火柱が20cmくらい立っていました。

自宅で就寝中に、充電していたモバイルバッテリーが突然、発火したという男性。家には、妻と8歳の娘もいたため、背筋が凍ったという。

モバイルバッテリーが発火した人:
本当に布団の横でしたので毛布とかではたいて火の勢いを弱めて、ケーブル類ごと廊下に出しました。一瞬だけ鎮火した。鎮火したあとまた「ボン!」という破裂音とともに再発火しまして、洗面器に水を入れて持ってきて、いったん鎮火しました。

幸いにも大事には至らず、右手にやけどを負ったものの軽傷で済んだという。

それでも“モバイルバッテリーを手放せない”という男性に今後について聞くと。

モバイルバッテリーが発火した人:
使わざるを得ないので、今回こういう事故があったからこそ「耐火袋」みたいな物で被害を最低限に抑えるような形で。

「耐火袋」とは、燃えにくいシートでできたバッグで、バッテリーなどをしまっておくと、もし発火しても火を抑えることができ、全日空も機内に搭載しているまさに“火の用心”なアイテムだ。

「耐火袋」について聞くと「これで包むか何かするんですか?入れておけば少しは安心かなと」「(発火したら)危ない。電車や飛行機。知らなかったので(教えてくれて)ありがとう」「熱くなって火が出たら大変。耐火袋も買っておかないと」といった声が聞かれ、早速、購入する女性客もいた。

イット!は実際に「耐火袋」を使用してるという男性を取材。

耐火袋を購入した人:
結構しっかりしていて頑丈にできてます。スマートフォンを充電しながらでも、こうして持ち運びできます。息子の通ってる学校の行事の関係で、飛行機に乗ることになりまして、山手線とか発火事故があったということは聞きましたので。人ごとではないかなと。
年末年始になって来るので、この時に家を失う怖さを考えるとゾッとしますので“転ばぬ先の杖”ではないが、少しでも安心して暮らせるようになったらなと思いまして。

専門家が指摘する注意点

冬場にも跡を絶たない発火事故。専門家も様々な場面での注意が必要だと指摘する。

NITE製品安全センター 山崎卓矢参事官:
ストーブやファンヒーターの前に放置してしまうと(熱で)発火してしまうリスクが高まります。

ポケットの中に入れたまま、こたつに入ってしまったり、例えばカイロですね、直接バッテリーに接するような形でお使いになることは避けて。

急激な温度変化で内部で結露が発生して、内部ショートを起こすこともございますので、一旦その製品を玄関や廊下に置いて、温度変化が急激にならないように、ゆっくり暖かい部屋のほうに移して。

“備えあれば憂いなし”。冬場も事故に備えることが重要だ。
(「イット!」12月4日放送より)